「ワンチーム」で2連覇をつかんだジャイアンツ。昨年叶わなかった日本一の夢を今度こそ【密着女子アナが見た巨人】

「ワンチーム」で2連覇をつかんだジャイアンツ。昨年叶わなかった日本一の夢を今度こそ【密着女子アナが見た巨人】

圧倒的な強さで2連覇を果たした巨人だが、原監督は「長く、苦しいペナントレースだった」と振り返った。写真:産経新聞社

エース・菅野智之が達成したプロ野球新記録の開幕投手からの13連勝、主将・坂本勇人の通算2000安打達成。そして、2年続けてのリーグ制覇。今年も、ファンをドキドキワクワクさせてくれた。

 6月19日、無観客でシーズンが開幕し、球場には打球音や選手たちの声だけが大きく響いていた。連戦や移動が続くハードな日程、ベンチではマスク姿、勝利のハイタッチも自粛。「こんな年だからこそ、ジャイアンツが優勝しなければならない」。原辰徳監督は、そう強く語っていた。

 そして、実際にリーグV2を決めた後、原監督は異例で特別な年の優勝を「格別」と表現し、「毎年、優勝はどう表現していいか分からない感激があるけど、今年は特に長く、苦しいペナントレースだった」と振り返った。そして、「ワンチームになって戦えたこと」を勝因に挙げた。

 今季は私たち報道陣もグラウンドレベルに降りての取材はできなかったので、いつも感じる空気感は直接には分からなかった。それでも、選手たちの笑顔が多く見られ、チームの雰囲気がいいことはうかがい知れた。
  優勝会見で印象的だったのが、坂本と丸からともに出た言葉だった。「自分の状態が上がらない中、チームメイトがカバーして助けてくれた。感謝している」

 2人に結果が出ていなかったシーズン序盤、それを補うように4番・岡本和真を中心にさまざまな選手がチームを支えた。ベテランの中島宏之や亀井善行から、若手の吉川尚輝、松原聖弥や大江竜聖、楽天からトレードで途中加入したウィーラーや高梨雄平も、すぐにチームに溶け込んで活躍した。

 昨季から大きく成長した選手もいる。戸郷翔征は史上初となる高卒2年目以内の開幕3戦3勝も成し遂げると、ローテーションを守りながら菅野に次ぐ9勝を挙げた。なかなか勝てない時期も経験し、気持ちが落ちたこともあったそうだが、「必ず人生には負けはある」と前を向いて、強気なピッチングを見せ続けた。ひと回りもふた回りも大きくなった姿に、親心のような(笑)嬉しさを覚えた。
  大城卓三は、開幕戦はすべてバッテリーを組んだ。入団1年目に菅野と初めて組んだ時に大城と話したのを覚えている。

「めちゃくちゃ緊張しました」。普段あまり緊張する性格ではないと本人は話していたが、その時は少し萎縮しているように見えた。だが、今季は堂々と菅野の球を受ける姿が印象的だった。

 菅野も「大城の成長も感じながら、自分自身でも新しい発見もあり、いい時間を過ごせている」と話していた。打撃では、社会人(NTT西日本)からずっと守ってきたフォームを変更し、シーズン序盤・中盤とチームに貢献した。

 増田大輝は、怪我による離脱もありながらリーグ2位の23盗塁。試合終盤の大事な場面に、代走として登場して何度も盗塁を決め、ファンの間では“神走塁”と呼ばれた。増田が代走で出てきたら、皆さんもワクワクしていたでしょう。
 「自分ではそこまで足は速くないと思っている」。昨年、増田を取材した時にそんな言葉を聞いて驚いたが、「そう思っているからこそ、練習していろいろな技術を身につけ、盗塁への自信にしている」と話していた。今季は自信を持って、走っている姿があった。

 原監督の采配にそれぞれの選手が、チームのためにしっかり応えた。「個人軍ではなく、巨人軍であれ」。監督が常々話すモットーがしっかり実戦されていた。ウイルスという見えない敵とも戦いながら、全員で目標に向かっていった。

「フォーム変わったな」「この場面どんな事を考えているんだろう」。私のいつものクセで、いろいろなことを考えながら中継を観て、モヤモヤしていることもあったが、勝った時の喜び、負けた時の悔しさは去年までと変わらなかった。

 スポーツには力があると改めて感じた今シーズン。みんなでともに戦い、助け合ってきたチームの絆はさらに強くなっている。昨年は叶わなかった日本一の夢を手に入れて、もう一度喜びたい。

取材・文●真鍋杏奈(フリーアナウンサー)

【著者プロフィール】
まなべあんな/ホリプロ所属、フリーアナウンサー。ラジオ日本『ジャイアンツナイター』ベンチリポーターやスポーツニュースを担当。スポーツ全般を取材。プロ野球、社会人野球、高校野球の番組にも出演。趣味はスポーツ観戦とゴルフ。
 

関連記事(外部サイト)