ボンズとクレメンスの“罪”がついに許される日が来る?2021年殿堂入りの“有力候補”に

ボンズとクレメンスの“罪”がついに許される日が来る?2021年殿堂入りの“有力候補”に

ボンズ(左)もクレメンス(右)も実績は間違いなく殿堂入り級。だが、ステロイド使用疑惑という汚点がそれを妨げている。(C)Getty Images

アメリカ野球殿堂が現地時間16日、2021年の殿堂入り投票対象者を発表した。今回は新たに対象となる11人の中に、昨年のデレク・ジーターのような資格1年目での殿堂入りが確実視される目玉選手はいない。引き続き対象となる14人の中で、誰が殿堂入りを果たすかが注目されている。その有力候補の中には、バリー・ボンズとロジャー・クレメンスの名も挙がっている。

 2人は日本でも名の知れた元スーパースターだ。1986年から2007年にかけて、パイレーツとジャイアンツで活躍したボンズは、走攻守三拍子そろった万能外野手として、史上最多7度のMVPに輝いた。01年には現在もシーズン記録となる73本塁打を放ち、現役最終年となった07年には、それまでハンク・アーロンが持っていた通算755本塁打の史上最多記録を塗り替えた。02年には198四球、出塁率.582とこれまたMLB記録を樹立しており、通算OPS(出塁率+長打率)は1.051という驚異の数字。まさにメジャー史上最強選手の一人だ。
  一方のクレメンスもボンズと同時期に活躍した大エースで、サイ・ヤング賞受賞は史上最多の7回を数える。剛速球とスプリッターを武器に、レッドソックスやヤンキース、アストロズなどで24シーズンにわたって投げ続け、最多勝4回、最多奪三振5回、最優秀防御率6度と数々のタイトルを獲得。歴代9位の通算354勝、同3位の4672奪三振と史上屈指の実績を誇る。

 彼らはともに07年限りで引退しており、今回は9回目の投票。今年か、もしくは次回の投票で殿堂入りできなければ、対象リストからは外されてしまう。本来なら第1回目の投票で間違いなく殿堂入りしているはずの2人がいまだに足踏みしているのは、現役時代に筋肉増強剤ステロイドを使用していたことが確実視されているためだ。彼らの輝かしいキャリアの一部がドーピングの力を借りたものだったことに対する失望は深く、最初に対象となった13年の投票結果は、ボンズが得票率36.2%、クレメンスが37.6%と、殿堂入りラインの75%を大きく下回った。
  その後もしばらく得票率は35%前後をウロウロしたままだったが、風向きは徐々に変わりつつあるようだ。16年頃から徐々に得票数を伸ばしてきた2人は、昨年の投票ではボンズが60.7%、クレメンスが61.0%の票を得た。近年は同じくステロイド使用が疑われたことのあるマイク・ピアッツァ(16年殿堂入り)、ジェフ・バグウェル、イバン・ロドリゲス(ともに17年)らが殿堂入りを果たしており、「なぜボンズとクレメンスだけが例外なのか?」と考える記者が増えてきているようだ。疑惑は限りなくクロに近いとはいえ、ボンズもクレメンスも、ピアッツァらと同様に薬物検査で陽性反応を示したことはない。

 その一方で、2人に対していまだに厳しい見方をしている記者がいるのも事実だ。昨年の投票結果が公表された後、『ESPN』のジェフ・パッサン(彼自身は「ボンズが殿堂入りすべきだ」と主張している)は、「なぜバリー・ボンズとロジャー・クレメンスは殿堂入りできないのか?」と題した記事の中で、昨年の投票で2人に投票しなかった記者たちの声を紹介。複数の記者が「2人は殿堂入りに相応しい人格の持ち主ではない」と述べ、中には「2人が殿堂入りすることで、過去に殿堂入りを果たした他の選手たちの名誉までも失われる」という強硬な意見もあった。
  投票率も徐々に上がってているとはいえ、ここ2、3年は微増にとどまっているのも懸念事項だ。実際、昨年の2人の得票率も前年からは1%ほど増えただけ。残り2年でさらに15%も上積みするのは厳しいとの見方もある。果たして、今年の殿堂入り投票で2人にどのような“審判”が下されるのかに注目だ。

構成●SLUGGER編集部

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