祝・沢村賞受賞! 中日・大野雄大の歴史的なシーズンを厳選6登板で振り返る

祝・沢村賞受賞! 中日・大野雄大の歴史的なシーズンを厳選6登板で振り返る

開幕13連勝の菅野智之(巨人)を抑えて初の沢村賞を受賞した大野。ずば抜けた完投能力などが評価された。写真:産経新聞社

11月23日、大野雄大(中日)が初の沢村賞に選出された。45イニング連続無失点、5連続完投勝利、6度の完封勝利など圧巻の投球を続けた今シーズンの大野。その中から、特に印象深い登板を振り返ってみたい。

▼3本塁打を含む11安打を浴びて開幕連敗
6月26日 中日1−4広島(ナゴヤドーム)

今となっては信じられないが、開幕直後の大野の調子は最悪だった。6月19日のヤクルトとの開幕戦では4回9安打6失点。この日もストレートに明らかに威力がなく、2回に鈴木誠也とメヒアに連続ホームランを献上するなど3本の一発を浴びて6回11安打4失点で負け投手に。自己最悪の不振に苦しんだ2018年の悪夢を思わせるような投球に、ドラゴンズファンの不安を大きく募らせる登板となった。
 ▼苦しみ抜いた末のシーズン初勝利
7月31日 中日5−3ヤクルト(ナゴヤドーム)

調子は徐々に上向きながらも勝ち星には恵まれなかった大野。開幕から1ヵ月以上が経ったこの日のヤクルト戦も、4回までに3点を失ったが、そこから粘り強い投球を続ける。打線が6回に逆転した後も自ら続投を志願。登板前の調整時に大先輩の山井大介から受けた「何球投げても最後までいかないとあかんやろ」とのハッパに応え、完投でシーズン7登板目にしてようやく初白星を手にした。ここからドラゴンズの歴史に残る快進撃が始まった。

▼首位巨人を相手に2試合連続完投勝ち
8月16日 中日4−1巨人(東京ドーム)

前週のナゴヤドームでの同じカードでも完投勝利を収めていた大野は、東京ドームに舞台を移したこの日も、首位を走る巨人を相手に2試合続けて快投を披露した。2回に丸佳浩に本塁打を浴びたものの、その後は力強いストレートを軸に巨人打線を圧倒。2リーグ制後では球団初の3試合連続2ケタ奪三振となる10個の三振を奪って被安打わずか2本、ゴロアウトは12に達した。ヒーローインタビューでの「強い球を投げた結果が完投につながった」というコメント通りの力強い完投劇だった。
 ▼今季最多11奪三振で5連続完投勝利
9月1日 中日5−0広島(ナゴヤドーム)

球団史上4人目、2006年の佐藤充以来となる5連続完投勝利を2試合続けてのシャットアウトで飾った。1番から9番まで右打者を並べた広島打線に対し、この日も序盤から真っ向勝負。150キロ近いストレートで押してフォーク、ツーシームで仕留める投球で、許したヒットは単打2本のみ、二塁も踏ませぬ圧巻の内容だった。4連続完投の疲労蓄積を考慮し、ローテーションを再編成して中8日でマウンドに送り出した首脳陣の配慮にも応えた。

▼巨人・菅野との“セ界最強投手対決”に惜敗
9月8日 中日0−2巨人(ナゴヤドーム)

開幕10連勝を目指す菅野智之と、球団新の6試合連続完投勝利を狙う大野の直接対決。3回、大野は坂本勇人に左翼フェンス直撃の先制二塁打を浴びたが、その後は巨人打線を封じる。対する菅野も、走者を背負いながら要所を締めて7回無失点で降板。大野は菅野がマウンドを降りた後も続投したが、8回にさらに1点を献上。最後まで投げ抜いて6連続完投は達成したものの、試合には敗れた。「先制点を与えてしまったのが負けた原因」と語った大野だったが、互いに認め合う好敵手同士の“セ・リーグ最強投手対決”は、「これぞプロ野球」と見る者を唸らせる一戦だった。
 ▼連続無失点イニングを45に伸ばして球団記録更新
10月22日 中日1−0DeNA(ナゴヤドーム)

2試合連続、直近5登板で実に4度目となる完封で64年ぶりに球団記録を更新する45イニング連続無失点を達成。援護は初回のビシエドの犠牲フライによる1点のみだったが、この日の大野にはそれで十分だった。許した6本のヒットはすべて単打で無四球、9奪三振。2つの併殺を奪い、外野フライすら4本だけと、数字を追うだけでも安定度が伝わってくる「スミイチ」でのシャットアウト劇で5年ぶりの2ケタ10勝利を手にした。「本当にすごい男ですね。それだけです」。与田剛監督が試合後に残したコメントがすべてを物語っていた。

構成●SLUGGER編集部
 

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