【2020総括|楽天】得点力はリーグ随一も、大型補強むなしく8月以降に投手陣が崩壊してまさかの4位に

【2020総括|楽天】得点力はリーグ随一も、大型補強むなしく8月以降に投手陣が崩壊してまさかの4位に

浅村(左)は本塁打王を獲得し、新加入の鈴木(右上)ら移籍組も上々だったが、則本(右下)をはじめ投手陣の出来はいまひとつ。写真:徳原隆元(浅村)、田中研治(鈴木&則本)

?今季の総括
 1年前、楽天はストーブリーグの主役だった。ロッテの看板選手・鈴木大地のFA入団を皮切りに、牧田和久、涌井秀章、酒居知史、シャギワ、ロメロを補強。満を持して優勝を狙う陣容を整えた。評論家の下馬評も高く、里崎智也、高木豊、真中満、達川光男ら各氏がパ・リーグ優勝に推していたほどだった。

 その期待を背に開幕ダッシュに成功し、8月中旬まで1位をキープ。しかし、徐々に失速して最終的には55勝57敗8分、勝率5割を下回ってAクラスすら逃す4位でシーズンを終えた。

 最大の収穫は12球団最多の557点を挙げた得点力だ。初の本塁打王に輝いた浅村栄斗を中心に補強選手も額面通りに働き、ドラフト1位の小深田大翔は新人王有力候補に挙げられる活躍を見せた。しかし、投手陣は誤算だった。涌井が復活を遂げて最多勝を獲得した一方、則本昂大は2年連続の5勝どまり。松井裕樹の先発転向は頓挫し、森原康平もクローザー定着を果たせなかった。宋家豪ら他のリリーフ陣も精彩を欠き、チーム防御率は前年3.74から4.19へ後退した。

「バッテリーを中心とした守りの野球」を掲げ、1点へのこだわりを強調する三木肇監督の野球も道半ばに終わった。石井一久GMから託された走塁改革も、前年比19個増の67盗塁を記録したものの、依然としてリーグワースト。1点差試合は11勝15敗と接戦を取りこぼし、逆転負けは12球団最多32回を数えた。クライマックスシリーズの可能性が完全消滅した11月4日のオリックス戦も、7対8という1点差による逆転負けだった。
 ?2021年のキーマン
・早川隆久

 石井GM兼監督の新体制で挑む来季、チーム浮上のカギを握るのは若手の台頭しかない。中でも4球団競合で引き当てたドラフト1位左腕の早川隆久にかかる期待は大きい。

 今季は移籍組が安定した活躍を見せた反面、生え抜きの地盤沈下が際立った。特に若手の伸び悩みは深刻で、2015年ドラフト1位のオコエ瑠偉は一軍出場なし、16年1位の藤平尚真はわずか1登板、17年1位の近藤弘樹は構想外になった。停滞する若手が早川に刺激を受けて殻を打ち破れば、チームは確実に底上げされる。パ・リーグでは14年の石川歩(ロッテ)以来となる新人2ケタ勝利をクリアするくらいの活躍を期待したい。

文●eagleshibakawa

【著者プロフィール】
eagleshibakawa/信州上田在住。故郷の戦国武将・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える市井の野球好き。野村ID野球に感化され、2009年から様々なデータを集計しながら楽天を定点観測し、気づいたことをSNSなどで発信。
 

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