「OPS」「四球率」はヤクルト勢がワンツー。村上は抜群の勝負強さも披露【表彰されざる男たち(セ・リーグ野手編)】

「OPS」「四球率」はヤクルト勢がワンツー。村上は抜群の勝負強さも披露【表彰されざる男たち(セ・リーグ野手編)】

20歳の村上(右)と大ベテランの青木(左)、ヤクルト勢の2人がOPSや四球率でリーグ1、2位に入った。写真:山崎賢人

打率や本塁打、打点など個人タイトルの対象となっている部門以外の主要カテゴリーのベスト3を紹介する。今回はセ・リーグ打者編だ。
(※率系部門は規定打席到達者27人が対象)

■OPS(出塁率+長打率)
1.村上宗隆(ヤクルト) 1.012
2.青木宣親(ヤクルト) .981
3.鈴木誠也(広島) .953

 総合的な打力を測るOPSで、昨季は新人王に輝いた村上が堂々のリーグベスト。一方、青木は38歳でキャリアハイのOPSと長打率(.557)を記録し、ヤクルトの若手スターとベテランが1、2位を占めた。ちなみにリーグワーストもヤクルトのエスコバー。打率こそ.273とまずまずだが、出塁率(.312)、長打率(.329)とも低調だった。

■四球率(四球÷打席)
1.村上宗隆(ヤクルト) 16.9%
2.青木宣親(ヤクルト) 14.6%
3.鈴木誠也(広島) 14.0%

 OPSと出塁率のリーグベスト3がそのまま上位を占めた。村上は87四球だけでなく12敬遠もリーグ最多の貫禄で、四球率は昨季の12.5%から大きく上昇。青木はこちらもキャリアハイを更新し、鈴木は3年連続で3位以内に入った。昨季の1位は球界屈指の選球眼を誇る山田哲人(ヤクルト)だが、今季は17.2%から12.5%と低下してしまった(これでもすごいが)。
 ■三振率(三振÷打席)
1.宮ア敏郎(DeNA) 6.3%
2.大島洋平(中日) 9.7%
3.ビシエド(中日) 10.4%

 宮アが自己ベストを塗り替えて4年連続の1位。一度だけ2三振を喫したが、他の全試合は1三振以下だった。大島は開幕から12試合連続無三振でスタートした。阪神のサンズ(23.9%)とボーア(23.2%)がワースト2で、パワーは発揮したが粗さは弱点だった。

■BB/K(四球÷三振)
1.青木宣親(ヤクルト) 1.22
2.鈴木誠也(広島) 0.99
3.大島洋平(中日) 0.92

 四球を三振で割った比率で、打者の打席アプローチをはかる指標。青木と大島はキャリアハイを更新し、磨きをかけた選球眼の良さが、年齢を感じさせない好成績につながっている。特に青木は規定打席到達者で唯一、三振(51)を超える四球(62)を選んだ。鈴木は左投手相手に2.54と群を抜く数値。松山竜平(広島)は昨季から急激に数字を落として(0.69→0.24)でリーグワーストに沈んだ。

■本塁打率(打数÷本塁打)
1.岡本和真(巨人) 14.19
2.大山悠輔(阪神) 15.11
3.村上宗隆(ヤクルト) 15.14

 本塁打王レースを争った3人が順当にランクイン。タイトルを手にした岡本は本拠地・東京ドームで10.57、村上も神宮球場で13.53と地の利をいかして上積みしだが、大山はホームランの出にくい甲子園球場を味方にできず、本拠地では17.42にとどまった。規定打席未満では、オースティン(DeNA)が238打数で20本、本塁打率11.90を記録するパワーを発揮した。
 ■得点圏打率
1.村上宗隆(ヤクルト) .3518
2.近本光司(阪神) .3516
3.岡本和真(巨人) .347

 村上は勝負強さを発揮しただけでなく、得点圏での出塁率は5割越え(.514)とチャンス拡大の役割も果たした。打点王を手にした岡本は得点圏でリーグ最多の12本塁打を放ち、OPS1.143もリーグベストとまさしく四番の働き。一方、田中広輔(広島)は唯一の打率1割台(.167)に沈み、得点圏ではプロ入りから7年連続で打率ダウン。

■内野安打
1.近本光司(阪神) 26本
2.大島洋平(中日) 19本
3.京田陽太(中日) 17本

 トップ3は昨年と同じ顔ぶれで順位も同じ。近本は2年連続の盗塁王の俊足を武器に内野安打を量産。3年連続ベスト3入りの大島も、これらを最多安打のタイトル獲得の肥やしとした。プロ入り以来3年連続で続けていた2ケタ盗塁が今季は途切れた京田だが、変わらず内野安打は多く、リーグ最多の7三塁打を放つなどスピードは健在。右打者ではエスコバー(ヤクルト)の16本が最多だった。
 ■盗塁成功率(10盗塁以上)
1.塩見泰隆(ヤクルト) 86.7%
2.松原聖弥(巨人) 85.7%
3.堂林翔太(広島) 81.0%

 塩見はわずか43試合で13盗塁を稼いで失敗は2つだけ。松原も、86試合で12盗塁(失敗2)と長所をアピールして後半戦から2番・ライトの座を勝ち取った。打撃復調の堂林は自己最多の17盗塁もマーク。一方、梶谷隆幸(DeNA)は3年ぶりに2ケタ盗塁(14)に乗せたが、成功率63.6%はリーグワーストだった。

■補殺(外野手)
1.鈴木誠也(広島) 8
2.青木宣親(ヤクルト) 6
2.佐野恵太(DeNA) 6

 2017年以降の鈴木は10(リーグ1位)→8(2位)→6(2位タイ)と毎年多くの走者を刺して、今季は2度目の最多となった。昨季に続いて2位の青木は、9年ぶりにゴールデン・グラブ賞を獲得。前年は10補殺の近本は1位から陥落したが、それでも4位タイの5補殺で貢献した。

文●藤原彬

【著者プロフィール】
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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