「被本塁打率」「QS率」リーグベストは菅野、大野ではなく阪神の2人【表彰されざる男たち(セ・リーグ投手編)】

「被本塁打率」「QS率」リーグベストは菅野、大野ではなく阪神の2人【表彰されざる男たち(セ・リーグ投手編)】

安定感が持ち味の西。6イニング以上&自責点3以下のクオリティ・スタートを21先発中17回も記録した。写真:産経新聞社

勝利数や奪三振、防御率など個人タイトルの対象部門以外の主要カテゴリーのベスト3を紹介していく。今回はセ・リーグ投手編だ。
(※率系部門は先発で80投球回以上17人、救援で40投球回以上19人を対象)

■奪三振率(奪三振×9÷投球回)
【先発】
1.柳裕也(中日)9.32
2.森下暢仁(広島) 9.10
3.大野雄大(中日) 8.96
【救援】
1.石山泰稚(ヤクルト) 11.69
2.菊池保則(広島) 11.36
3.パットン(DeNA) 11.04

 規定投球回には達していないが、80イニング以上では柳がリーグ1位。過去2年の奪三振率はリーグ平均以下だが、チェンジアップの高速化など変化球の改良を結果に結び付けた。新人王の森下はプロ初完封を飾った8月14日の阪神戦でシーズン最多の12奪三振。石山は“三振しない男”宮ア敏郎(DeNA)と7度の対戦で4三振(無安打)に斬った。

■与四球率(与四球×9÷投球回)
【先発】
1.秋山拓巳(阪神) 0.96
2.福谷浩司(中日) 1.27
3.大野雄大(中日) 1.39
【救援】
1.祖父江大輔(中日) 1.25
2.石山泰稚(ヤクルト) 2.22
3.三嶋一輝(DeNA) 2.45

 奪三振率がリーグの先発と救援で最も低い秋山(5.14)と祖父江(6.26)だが、与四球率で1位。秋山は18先発中10試合が無四球で、2先発した巨人戦とDeNA戦は四球を与えず。福谷と大野は3四球以上が一度だけ。祖父江は10試合以上連続無四球が3度と、安定感抜群だった。リーグワーストは先発も救援も広島の遠藤淳志(4.37)と塹江敦哉(4.17)。
 ■K/BB(奪三振÷与四球)
【先発】
1.大野雄大(中日) 6.43
2.福谷浩司(中日) 5.54
3.秋山拓巳(阪神) 5.33
【救援】
1.石山泰稚(ヤクルト) 5.27
2.祖父江大輔(中日) 5.00
3.マルティネス(中日) 4.08

 三振と四球の比率により投球の優劣を測る指標で、1位の大野は昨季の3.63からキャリハイまで上昇させた。福谷は左打者に対して被打率.280とよく打たれながら、不思議とK/BBは9.75まで跳ね上がった。得点圏に走者を置いた石山は、25三振を奪ってわずか3与四球の肝っ玉ピッチング。先発はサンチェス(巨人)の1.74がワースト。

■QS率(QS÷先発数)
1.西勇輝(阪神) 81.0%
2.菅野智之(巨人) 80.0%
2.大野雄大(中日) 80.0%

 6イニング以上を投げて自責点3以内の回数を示すQSの割合。西が沢村賞を争った2人を凌駕。QS数17回は2年連続リーグ1位と安定感は健在だった。菅野はリーグ優勝決定後の2先発を調整として5イニングのみで退いたが、それを除けば88.9%だった。勝ち星に恵まれなかったのは青柳晃洋(阪神)で、QS13回に対して7勝のみ。
 ■被OPS(出塁率+長打率)
【先発】
1.菅野智之(巨人) .533
2.大野雄大(中日) .539
3.西勇輝(阪神) .592
【救援】
1.三嶋一輝(DeNA) .512
2.祖父江大輔(中日) .529
3.スアレス(阪神) .542

 先発で1位の菅野は被長打率.289、2位の大野は被出塁率.236がリーグベストと打者を圧倒。菅野はキャリアワーストの昨季(被OPS.720)から見事に復調し、大野も1位の前年(.578)より数値を向上させ、ともに防御率は1点台だった。不振の山崎康晃に代わって抑えを任された三嶋は、被出塁率(.247)と被長打率(.265)がともに救援ではベスト。

■被本塁打率(被本塁打÷投球回×9)
【先発】
1.青柳晃洋(阪神) 0.30
2.平良拳太郎(DeNA) 0.32
3.森下暢仁(広島) 0.44
【救援】
1.祖父江大輔(中日) 0.18
2.三嶋一輝(DeNA) 0.19
3.石田健大(DeNA) 0.21

 ツーシームでゴロの山を築く青柳は120.2回で被本塁打をわずか4本に抑えたが、14本打たれた昨季と防御率(3.14→3.36)は同水準。救援の3人はそれぞれ1本塁打しか打たれていない。昨季の被本塁打率が1.24だった三嶋と、0.88だった石田は、前年から見違えるほどの改善を示した。小川がリーグワースト(1.51)で、リーグ最多の20被弾のうち、巨人の岡本和真と丸佳浩の両主砲にそれぞれ4発ず打たれた。
 ■被打率
【先発】
1.菅野智之(巨人) .196
2.大野雄大(中日) .203
3.西勇輝(阪神) .213
【救援】
1.マルティネス(中日) .171
2.三嶋一輝(DeNA) .185
3.スアレス(阪神) .194

 菅野は中日戦で特に強く、25イニングで無失点。9安打しか許さず被打率.107と牛耳った。中日打線がもう少し頑張れば、1位は大野だったかもしれない。最速161キロを計測したマルティネスは40登板中23試合で無安打に封じた。一方、8月にノーヒットノーランを達成した小川泰弘(ヤクルト)は、先発でワースト2位の被打率.277に沈んだ。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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