MVP受賞の柳田が「最強打者」に返り咲き。三振率リーグベストは…?【表彰されざる男たち(パ・リーグ野手編)】

MVP受賞の柳田が「最強打者」に返り咲き。三振率リーグベストは…?【表彰されざる男たち(パ・リーグ野手編)】

首位打者に輝いた吉田は492打席で72四球を選んだ一方、三振数はたったの29だった。写真:田中研治

打率や本塁打、打点など個人タイトルの対象となっている部門以外の主要カテゴリーのベスト3を紹介する。今回はパ・リーグ打者編だ。(※率系部門は規定打席到達者26人が対象)

■OPS(出塁率+長打率)
1.柳田悠岐(ソフトバンク) 1.071
2.浅村栄斗(楽天) .969
3.吉田正尚(オリックス) .966

“強打者度”を示すOPSランキングでは、最多安打を獲得した柳田、本塁打王の浅村、首位打者の吉田がベスト3に揃い踏み。いずれもチーム最多打点を叩き出し、主軸の役割を果たした。昨季は故障に泣いた柳田だが、一昨年まで4年連続で座ったOPSリーグ1位の“指定席”へと見事に復帰。柳田には及ばずも、浅村と吉田は自己ベストを更新した。

■四球率(四球÷打席)
1.近藤健介(日本ハム) 19.1%
2.西川遥輝(日本ハム) 17.6%
3.浅村栄斗(楽天) 17.2%

 抜群の選球眼を備える近藤が、3年連続で出塁率と四球率のリーグ1位に立った。リーグ最多の92四球を選んだ西川とは2年ぶりのワンツーフィニッシュ。浅村は年々パワー系の指標を充実させながら四球の割合も増やし、より完成度の高い打者へ成長を遂げている。一方、リーグワーストは近藤、西川と同じ日本ハムの大田泰示で4.5%だった。
 ■三振率(三振÷打席)
1.吉田正尚(オリックス) 5.9%
2.鈴木大地(楽天) 10.6%
3.中村晃(ソフトバンク) 11.4%

 OPS.966を記録した強打者の吉田が、リーグで最も低い三振率を記録したのは驚き。1試合マルチ三振は3三振が1度、2三振が2度しかなかった。鈴木は初球打ちが54回あるのに対し、中村は21回しかなく、好対照な打撃スタイルの2人が2位と3位にランクイン。リーグ最多の150三振を喫したスパンジェンバーグ(西武)は、やはり三振率(33.7%)も飛び抜けて高かった。

■BB/K(四球÷三振)
1.吉田正尚(オリックス) 2.48
2.近藤健介(日本ハム) 1.24
3.西川遥輝(日本ハム) 1.16

 吉田は規定打席到達者で最も少ない29三振にとどめつつ、リーグ5位の72四球を選ぶ抜群の打席アプローチを見せた。216打席無三振の新記録を樹立した1997年のイチローでさえK/BBは1.72で、2位の近藤の倍の数値は驚異的としか言いようがない。ワーストは大田泰示(日本ハム)の0.24。規定打席未満では、牧原大成(ソフトバンク)の2年連続0.12という数値が目立つ。打席アプローチは改善されず、昨年担っていたリードオフマンの役割も剥奪されてしまった。

■本塁打率(打数÷本塁打)
1.山川穂高(西武) 13.42
2.浅村栄斗(楽天) 13.50
3.中田翔(日本ハム) 14.19

 リーグワーストの打率.205と苦しんだ山川だが、本塁打率は3年連続1位を死守してスラッガーの意地を見せた。浅村は自己最多の33本塁打を記録した昨季(16.03)を上回るペースで本塁打を量産し、見事タイトル獲得。ちなみに、12本塁打を放ったモヤ(オリックス)は13.67打数に1本の割合で柵越えを放ち、出場機会が増えればタイトル争いに加われるかも。■得点圏打率
1.柳田悠岐(ソフトバンク) .369
2.西川遥輝(日本ハム) .358
3.吉田正尚(オリックス) .356

 上位3人は得点圏でよく打っただけでなく、いずれも得点圏での出塁率は5割超えで、チャンス拡大の役割も担った。栗原陵矢(ソフトバンク)はシーズンの打率.243に対して得点圏では.333と跳ね上がり、日本シリーズの舞台でも大活躍。同様に栗山巧(西武)は.272→.330、大田泰示(日本ハム)は.275→.326と上がり幅が大きく、ここぞの場面では特に頼りになった。

■内野安打
1.源田壮亮(西武) 22本
2.周東佑京(ソフトバンク) 21本
3.吉田正尚(オリックス) 20本

 プロ入り1年目からの連続30盗塁以上が3年で途切れた源田だが、内野安打は2年ぶりにリーグ最多。周東は規定打席未満にもかかわらず、盗塁王を獲得した俊足を武器に内野安打を量産した。極端な守備シフトを敷かれる機会が多い吉田は、内野安打増も首位打者獲得のカギに。右打者で最も多かったのは大田の19本。佐野皓大(オリックス)は全30安打中12本を足で稼いだ。
 ■盗塁成功率(10盗塁以上)
1.周東佑京(ソフトバンク) 89.3%
2.和田康士朗(ロッテ) 88.5%
3.西川遥輝(日本ハム) 85.7%
3.スパンジェンバーグ(西武) 85.7%

 2年連続でリーグベストの周東は50盗塁を決めてタイトルも獲得。13試合連続盗塁の新記録も樹立し、三盗は4回試みてすべて成功させた。23盗塁の和田は、盗塁数ではリーグ2位の西川(42)を成功率で上回り、代走のスペシャリストとして台頭した。一方、昨季の盗塁王・金子侑司(西武)は成功率60.1%と低迷。14盗塁で失敗9と精彩を欠いた。

■補殺(外野手)
1.マーティン(ロッテ) 8
2.大田泰示(日本ハム) 7
3.木村文紀(ヤクルト) 6

 マーティンはメジャー時代から高い評価を受けた強肩だけでなく、二塁に送球すると見せかけて一塁にスローイングするなど、走者をあざむく頭脳的なトリックプレーも披露。大田は昨季も正確な送球で5人の走者を刺しており、今季も引き続き投手陣を盛り立てた。木村に加えて、佐野皓大(オリックス)が5個、川越誠司(西武)と岡大海(ロッテ)が3個を記録と、アマチュア時代は投手だった4人がトップ10入り。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

 

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