【2020主力選手通信簿|中日】投のMVPは沢村賞・大野で決まり。だが、打のMVPは最多安打の大島ではなく?

【2020主力選手通信簿|中日】投のMVPは沢村賞・大野で決まり。だが、打のMVPは最多安打の大島ではなく?

6試合連続完封に球団記録の45イニング無失点……今季の大野の投球はまさに圧巻だった。写真:産経新聞社

全12球団の主力選手の2020年シーズンを5段階の通信簿形式で振り返っていく。評価は各選手のこれまでの実績や期待値も踏まえて査定した。
※評価:よくできました(A)、まずまずです(B)、可もなく不可もなく(C)、がんばりましょう(D)、ガッカリです(E)

【投手】
★投のMVP★
●大野雄大
[試合]20 [勝敗]11-6 [防御率]1.82
[投球回]148.2 [奪三振]148
評価:よくできました(A)
2年連続でリーグ最多投球回での最優秀防御率のタイトルを獲得。さらに初受賞の最多奪三振、リーグダントツの10完投と圧倒的な成績で初の沢村賞の栄誉に選ばれた。

●福谷浩司
[試合]14 [勝敗]8-2 [防御率]2.64
[投球回]92.0 [奪三振]72
評価:よくできました(A)
14先発すべてで5イニング以上投げ、かつQS率7割超と抜群の安定感。来季は試合中盤以降に捕まりやすい点を修正し、強いこだわりを見せる完投・完封をぜひ達成してほしい。

●柳裕也
[試合]15 [勝敗]6-7 [防御率]3.60
[投球回]85.0 [奪三振]88
評価:可もなく不可もなく(C)
シーズン序盤に腹筋を痛め1か月の離脱を余儀なくされるなど2度の登録抹消を経験し、2年連続の規定投球回到達はならず。ただ、投球回以上の奪三振を記録した点は収穫だった。

●松葉貴大
[試合]15 [勝敗]3-7 [防御率]4.05
[投球回]73.1 [奪三振]50
評価:まずまずです(B)
15先発で3勝に終わったものの、「ゾーン内で勝負する」という与田監督の方針を体現する投球は大野雄をはじめ多くの投手の手本になった。ナゴヤドームでは防御率1.34と好投。

●勝野昌慶
[試合]13 [勝敗]4-5 [防御率]3.88
[投球回]72.0 [奪三振]56
評価:まずまずです(B)
プロ2年目は登板間隔を適宜空けながらの慎重な起用が奏功したか、大きな離脱なくシーズンを完走。140キロ後半のストレートとフォークを武器に、先発投手として台頭した。

●ロドリゲス
[試合]11 [勝敗]3-4 [防御率]4.12
[投球回]59.0 [奪三振]67
評価:まずまずです(B)
150キロ超の速球に加えて時折、腕の角度を下げて投げる工夫を見せるなど、剛と柔を併せ持つ器用さが光る。制球やメンタル面に未熟さを残すものの、ポテンシャルは本物。
 ●福敬登
[試合]53 [勝敗]5-5 [防御率]3.55
[投球回]50.2 [奪三振]39
評価:よくできました(A)
“大福丸”の一員として好投し、チームが6つの貯金を作った10月は26試合中16試合に登板するフル回転ぶり。最終盤に息切れしたものの、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。

●祖父江大輔
[試合]54 [勝敗]2-0 [防御率]1.79
[投球回]50.1 [奪三振]35
評価:よくできました(A)
全体の半分以上を占めるスライダーを自在に操り、与四球率は1.25。昨季まで僅差の展開で実力を発揮できずにいた右腕が、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得する躍進を見せた。

●梅津晃大
[試合]7 [勝敗]2-3 [防御率]3.75
[投球回]43.1 [奪三振]43
評価:可もなく不可もなく(C)
開幕から支配的な速球とフォークを武器に先発ローテを守ったが、8月2日ヤクルト戦での10回無失点完投を最後に右ヒジの違和感で離脱。本格ブレイクは来季に持ち越しとなった。

●R・マルティネス
[試合]40 [勝敗S]0-2-21 [防御率]1.13
[投球回]40.0 [奪三振]49
評価:よくできました(A)
160キロ超の速球を武器に支配力抜群の投球を披露。終盤に故障離脱してタイトルこそ逃したが、21のセーブ機会で失敗ゼロとパーフェクトクローザーの名を欲しいままにした。

●谷元圭介
[試合]36 [勝敗]1-3 [防御率]3.60
[投球回]30.0 [奪三振]21
評価:まずまずです(B)
ピンチの場面で何度もチームの危機を救う活躍を見せたことで、ファンからは「火消しのタニモン」と呼ばれ称賛された。シーズン終盤は勝ちパターンの一角も担う大車輪ぶり。

●又吉克樹
[試合]26 [勝敗]4-0 [防御率]2.77
[投球回]26.0 [奪三振]18
評価:可もなく不可もなく(C)
序盤に脇腹痛で離脱するも、復帰した9月以降はさまざまなシチュエーションで登板し好投。成績には表れにくいが、怪我人続出のブルペンにおいて使い勝手の良さが光った。

●岡田俊哉
[試合]29 [勝敗S]2-2-3 [防御率]4.88
[投球回]24.0 [奪三振]41
評価:がんばりましょう(D)
開幕から不安定な投球が続き、7月半ばにクローザーの座を奪われると、9月上旬からは二軍暮らし。奪三振能力が高いのは武器だが、課題である制球難の解決が求められる。

●藤嶋健人
[試合]26 [勝敗]1-0 [防御率]3.91
[投球回]25.1 [奪三振]21
評価:可もなく不可もなく(C)
岡田とのクローザー争いに敗れ、開幕は二軍スタート。7月以降一軍に昇格して好投を続けるも、手痛い一発を浴びることも多く、勝ちパターン継投に定着できなかった。
 【野手】
★打のMVP★
●木下拓哉
[試合]88 [打数]251 [打率].267
[本塁打]6 [打点]32 [OPS].705 [盗塁]0
評価:よくできました(A)
ゴールデン・グラブ賞こそ惜しくも逃したが、12球団最高の盗塁阻止率.455&神業レベルのフレーミングはお見事。長打力も魅力で、長年不在だった正捕手に一気に近づいた。

●ビシエド
[試合]109 [打数]409 [打率].267
[本塁打]17 [打点]82 [OPS].776 [盗塁]3
評価:まずまずです(B)
序盤は打球角度も上がり好調を維持していたが、死球禍に苦しみ、成績は伸び悩んだ。それでもリーグ1位の犠飛数・同4位の打点を記録するなど、4番打者の重責を果たした。

●阿部寿樹
[試合]115 [打数]421 [打率].257
[本塁打]13 [打点]61 [OPS].715 [盗塁]2
評価:まずまずです(B)
本塁打を昨季の7本から倍近く増やし、長打力不足に喘ぐチームに欠かせない存在となった。来季は月ごとの調子の不安定さを改善し、リーグ最多の併殺打も減らしたい。

●高橋周平
[試合]108 [打数]394 [打率].305
[本塁打]7 [打点]70 [OPS].794 [盗塁]1
評価:まずまずです(B)
自身初の打率3割&2年連続のゴールデン・グラブ賞はキャプテンに相応しい働き。ただ、より高いレベルを求めると、来季は他球団のライバルに劣らない長打力を発揮してほしい。

●京田陽太
[試合]120 [打数]442 [打率].247
[本塁打]5 [打点]29 [OPS].647 [盗塁]8
評価:可もなく不可もなく(C)
入団から4年連続規定打席到達も打撃成績は停滞。守備では深めのポジショニングから多くのビッグプレーを見せた一方でエラーも増え、ゴールデン・グラブ賞はまた持ち越しとなった。
 ●A・マルティネス
[試合]39 [打数]95 [打率].295
[本塁打]2 [打点]13 [OPS].806 [盗塁]0
評価:よくできました(A)
7月上旬の支配下登録直後に即一軍で起用されると、ディンゴ以来の外国人捕手として鮮烈な印象を残した。優れた長打力と選球眼は、外野両翼での起用も検討すべきレベル。

●大島洋平
[試合]118 [打数]462 [打率].316
[本塁打]1 [打点]30 [OPS].763 [盗塁]16
評価:よくできました(A)
2年続けて最多安打のタイトルを獲得し、OPSも昨季に続いてキャリアハイ更新。球団最多8度目のゴールデン・グラブも受賞した。通年で波の少ない安定感はさすがだった。

●平田良介
[試合]55 [打数]166 [打率].235
[本塁打]3 [打点]17 [OPS].668 [盗塁]0
評価:ガッカリです(E)
今季を象徴するはずだった攻撃的な「2番・平田」で開幕も、まさかの大スランプ。加えて下肢のコンディション不良などで登録抹消を繰り返し、ほとんど戦力になれなかった。

●福田永将
[試合]64 [打数]195 [打率].246
[本塁打]5 [打点]24 [OPS].705 [盗塁]0
評価:ガッカリです(E)
今季も「例年通り」開幕から低空飛行が続き、昨季終盤の圧倒的な打棒が再現されることはなかった。シーズンを通して怪我にも悩まされ、5年連続の2ケタ本塁打も達成ならず。

●アルモンテ
[試合]62 [打数]214 [打率].294
[本塁打]9 [打点]29 [OPS].847 [盗塁]1
評価:がんばりましょう(D)
安定感のある打撃で重要な2・3番打者として機能したが、今年も怪我に苦しみ、62試合の出場に留まった。打力は確かだが稼働率の低さがネックで、すでに退団が決まっている。

●井領雅貴
[試合]79 [打数]135 [打率].200
[本塁打]0 [打点]12 [OPS].516 [盗塁]0
評価:可もなく不可もなく(C)
左の代打の切り札として、初めてシーズンを通して一軍帯同を果たした。四球率は劇的に改善された一方で、打率は1割近く低下。26安打中、長打は二塁打3本だけだった。

監督
●与田剛
評価:よくできました(A)
最下位に沈んだシーズン序盤は「代打三ツ間」もあり評価を下げたが、投手陣の立て直しに手腕を発揮。右肩上がりに勝ち星を積み重ねチームを8年ぶりのAクラスに導いた。

文●ロバートさん (@robertsan_CD)

【著者プロフィール】
1988年生まれ。Twitterにて中日ドラゴンズの戦力分析・考察を行う中日ファン。中日新聞プラスにて「データで考える中日ドラゴンズ」を連載中。

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