那須川天心が矢沢永吉の“聖地”ハマスタで初の始球式「たまアリより広かった」

那須川天心が矢沢永吉の“聖地”ハマスタで初の始球式「たまアリより広かった」

那須川天心

横浜DeNA 対 中日
▽22日 横浜スタジアム 観衆 28,682人

 22日、横浜スタジアムで行われた『Cygames スペシャルナイター』DeNA対中日7回戦の試合前に、“格闘技界の神童”の異名を持つキックボクサー・那須川天心が自身初の始球式に臨んだ。

 これは現在、天心をサポートするCygamesとのつながりから実現したもの。天心はDeNA主催試合を全試合生中継しているAbemaTVでレギュラー番組を持つ。今回の起用は適任だったと言えるだろう。

 始球式が決まってからは「野球はいちばん苦手」と語っていた天心だが、ライトニング・レフトからどんな球を投げるのか注目を集めていた。試合開始の約2時間前に球場入りした天心は、「好きな数字」という背番号44に『TENSHIN』の名前をプリントしたベイスターズの特製ユニフォームを着用。ブルペンでピッチング練習してからグラウンドに現れた。

 天心は「何か、みんなが見てるような気がしますね」と落ち着かない様子。「シャドーしようかな」と普段とは違うグローブをはめながらシャドーボクシングを披露した。オープニングセレモニーの後、DeNAのナインが定位置に着いてから、ウグイス嬢に促され天心がマウンドに向かった。

 スタンドからは「天心決めたれ!」「天心頑張れ!」などと声援を受けた。天心は投げる直前にトリケラトプス拳をマウンド上で決めると、ドラゴンズファンからも歓声。超満員のハマスタ全体の心を掴んだ。しかし天心が投じた一球は、無情にもワンバウンドしてキャッチャーミットへ。

 中日の先頭打者で昨年のセ・リーグ新人王・京田陽太が空振りをしたのと同時に天心はマウンドで思わず座り込んでしまったが、一塁側ベンチ前でDeNAのラミレス監督からグッドサインを送られ、天心も笑顔で応えていた。

 「全然ダメ。魔物がいましたね。初心者が来る場所じゃないです」

 登板後の囲み会見では反省を口にしていたが、「(横浜スタジアムは)さいたまスーパーアリーナよりも広かったです。あと、たくさんの人が自分のことを知っててくれて嬉しかったですね」と笑顔。天心は矢沢永吉の曲を入場テーマにしている。矢沢のライブの聖地でもある横浜スタジアムから天心は刺激を受けた様子だ。

 「キック界でもこういうスタジアムがあればいいなと思いました。キックスタジアムがあればもっと格闘技界もまとまるのかなと」

 タイでは野外スタジアムでムエタイの試合を開いている。天心はキック専用のスタジアムを作ることを目標にすれば格闘技界も同じ方向性になると持論を展開した。

 そんな天心にとって超えなければならない大会が1ヶ月後に迫っている。約8,000人を収容する6.17RISE幕張メッセ・イベントホール大会だ。

 「絶対KOで勝ちます。これから追い込みをかけていきます」

 幕張メッセ大会では、“過去最強の相手”ロッタンとの大一番がメインイベントに組まれている。ロッタンは2月にスアキムに勝利。同じく“過去最強の相手”と言われた相手に圧勝し、ストップ・ザ・天心に名乗りを上げた。

 ここまで破竹の30連勝と“不敗神話”を継続している天心だが、所属ジムの会長でもある実父・弘幸氏は「確かに今まででいちばん強いけど、スアキムよりはやりやすい相手」とロッタンの印象を語る。

 「次はちゃんと投げたい」

 会見の中でリベンジを口にすることを忘れないあたりが、負けず嫌いな天心らしい。この日のハマスタの反応を見る限り、天心の知名度が上がって来ているのは明らか。最近ではプロ野球界でも、生年月日が1日違いの“オリックスの神童”山本由伸ら、天心の試合を見る若い選手が増えてきている。今後もこのような企画を続け、日本の格闘技を広げていってもらいたい。

取材・文 / どら増田
写真 / 萩原孝弘

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