技で魅せるシニアは大味なレギュラー大会より見どころ満載

技で魅せるシニアは大味なレギュラー大会より見どころ満載

19年ぶりの優勝へ 好スタートの川岸(C)共同通信社

【日本シニアオープン】

「苦しい内容だったけど、パッティングに助けられて、よくイーブンパーで回れた。今日はラッキーでした」

 かつて“怪物”と呼ばれた川岸良兼(51)が、首位に1打差3位タイと好スタートを切った。

 180センチ、88キロの恵まれた体格を持ち、パーシモン時代に300ヤードを軽々超えるパワーヒッターとして注目された。高校生の時に出場したツアー競技では、尾崎将司をオーバードライブしてプロやギャラリーの度肝を抜いたこともある。

 日大ゴルフ部を経てプロテスト合格の翌1990年に3勝を挙げたが、勝ち星は99年フィリップモリスチャンピオンシップの6勝目が最後だ。

 その頃に登場し出したメタルやチタンドライバーでは、得意のパーシモンドライバーのようにボールを自在にコントロールするギア効果が得られず、クラブの技術革新に適応できずにスランプに陥ったともいわれた。

「デビュー当時の川岸はリストを柔らかく使ってボールを飛ばしていた。怖いもの知らずの勢いがあった。ところが米ツアーに挑戦するようになってから、当時、海外ではやったスイングに変えたのがアダになった。バックスイングがコンパクトになり、リストの動きまで小さくなってぎこちなくなった。米ツアーで自分のゴルフを見失って調子を落としていった。しかし、今週のプレーを見たら体に柔らかさが出ており、手堅くプレーしている。知名度のある川岸が優勝争いに絡んできたら大会は大いに盛り上がるでしょうね」(評論家の菅野徳雄氏)

■伊沢利光や谷口徹も出場

 川岸はシニア2年目だが未勝利。プロ3年目の次女史果(23)はすでに1勝を挙げて、稼ぎも上だ。良兼は17年1599万円、18年168万円。史果は17年8215万円(1勝)、18年1589万円と父親を大きく引き離している。史果は今週のサマンサタバサレディスに出場しており、親子賞金レースの行方も注目される。

 それだけでなく本大会初出場の伊沢利光やシニアデビューの谷口徹も見どころだ。

「フィニッシュを見ればスイングの良し悪しはすぐにわかるといわれますが、レギュラーのプロはクラブを首に巻きつけるようにぶん回している。ボールに行き先を聞いてくれというゴルフをしている。ところがシニアのプロはフィニッシュの収め方が違い、体に負担のかからないスイングでボールをコントロールしている。シニア中継を見れば、むやみにクラブを振り回さなくてもいいのだと、誰にでも分かるはずです」

(前出の菅野氏)

 人気低迷からスポンサー離れが激しいレギュラーは試合がない。今週は飛ばすだけの大味なレギュラー大会より、技術や味のあるシニア大会をじっくり楽しめるはずだ。

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