同世代の悩める人たちを元気にしたい! 黄アルムが3週間でツアー2勝

同世代の悩める人たちを元気にしたい! 黄アルムが3週間でツアー2勝

貫禄のプレーで今季2勝目を飾った黄アルム(撮影:米山聡明)

<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 最終日◇12日◇軽井沢72ゴルフ北コース(6,655ヤード・パー72)>

2位に6打差をつけて最終日をスタートした黄アルム(韓国)が、5バーディ・2ボギーの「69」でラウンド。トータル17アンダーで今季2勝目、ツアー通算3勝目を飾った。


最後まで何が起こるか分からないとはいえ、首位に立つ人間にとって6打リードは大きい。だが、その余裕がときには心の油断を生む。スタート前、先輩プロである李知姫(韓国)がアルムに対して20アンダーを目指しなよ、と声をかけたのも、気の緩みが生まれないようにという親切心だろう。しかし、この日のアルムには隙がなかった。

スタートの1番パー4でティショットを右のラフに入れたが、そこからグリーンを狙わず、フェアウェイに一度刻んだ後、3オン1パットのパーで十分だと考えた。しかし、運悪くラフから打ったボールは予想以上に高く上がり、前方の木に当たってしまう。幸いにもファウェイには出たが、まだ130ヤード近く残っていた。そこから9番アイアンでグリーンを狙ったものの、ボールはグリーン奥のラフへ。

「ダブルボギーを叩く雰囲気は十分ありました」とアルムはいうが、仮にそうなれば、追いかける側はチャンスがあると思えるし、アルム自身も不安に襲われたことだろう。しかし、ピンまで残り10ヤードの距離をサンドウェッジで寄せると、ボールはカップに吸い込まれていった。見事なチップインパーでこのピンチを切り抜けたのだ。「あのチップインパーを見て、今日のアルムさんは手ごわいなと思いましたね」と、同組で回っていた申ジエ(韓国)を脅すには十分すぎる1打だった。

もちろん、スコアをキープするだけでは簡単に逃げ切れるものではない。結果的に6打差にいたジエが「65」を、8打差にいた松田鈴英が「64」をマークしただけに、2ストロークを伸ばす必要はあった。それでも、スコアボードで2位以下との差を見ながらプレーできたことは大きい。精神的に追い込まれることなく、スコアを伸ばせたからだ。

17番パー3でティショットをグリーンに乗せ、2パットのパーをとった瞬間に、優勝を確信できたというアルム。続く18番パー4でもきっちりとパーセーブし、2打差で逃げ切った。

「30歳だった16年にシード権を失いましたが、自分がそこからまたシード選手に復活して、ツアーで優勝を飾ることができれば、ゴルファー以外の同世代にも勇気を与えることができると思い、それをずっと目標にして頑張ってきました」と、思いを熱く語った。苦しい時期を乗り越え、3週間で2勝という復活劇を果たしたアルム。悩みを抱えている一般人の同世代を元気づけるには十分すぎる活躍だろう。(文・山西英希)

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