スタート前には点滴も…石川遼は体調不良をおして18ホール完走

スタート前には点滴も…石川遼は体調不良をおして18ホール完走

氷嚢で冷やしながら、体調不良をおしてなんとかプレー(撮影:佐々木啓)

<RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント 2日目◇24日◇芥屋ゴルフ倶楽部(7,151ヤード・パー72)>

上がってきたベテラン・藤田寛之も思わず唸った。「この暑さはきつい。会長もギリギリの体調だったんでしょ?よくやりましたね。すごい」。会長とはもちろん、選手会長・石川遼のことである。


石川は朝起きた段階で「背筋とかがちょっと痛かった。ケアしてもらっても治らなかったのでおかしいと思っていたら、気持ち悪くなってきた」と体調がすぐれず。とはいえコース到着後、まだ食欲があったのでレストランに行った。だが、ここで全然食べられず救護室へ直行。救護室には看護士しかいなかったため、近隣の病院の医者が駆けつけ、点滴を打ち経過観察。結果、「自分の判断でできると思ったので」いうことでコースへと出た。

とはいっても、ショット練習は8分ほど軽く打っただけ。パッティングも数球転がした程度だった。だが、集まったギャラリーをいきなり魅了する。昨日2番アイアンで打ったティショットで「フォローだったのでできるだけグリーンの近くまで運ぼう」とドライバーを選択。思い切り振り抜くと、狙い通りグリーン手前のフェアウェイまで運び、ここから寄せてバーディ発進。最高の滑り出しを見せる。さらに9番パー5で残り204ヤードの2打目を左奥6mにつけてイーグルを奪取といいかたちで折り返す。

後半はバーディとボギーが交互に来る展開が続いたが、上がりの18番・パー5で、2打目をグリーン手前のバンカーに入れるとこのバンカーショットが花道で止まり、アプローチも寄せられず。さらに3パットと最後の最後でダブルボギー。悔しいかたちでトータル1アンダーまでスコアを落としたが、何とか18ホールを回りきった。

クラブハウスまで引き上げてきた石川は「やってみて大丈夫でした」と話す。「悪化したら、例えばけいれんとか手の震えとかめまいとかそういうのが出たら辞めようと思いました。波はありましたが、辞めるという判断には至らなくて良かった」。氷嚢で冷やしながらのプレーだったが、棄権に至るまで悪化することはなかったという。

だが、完走できただけでは満足はできない。「やるのであれば、目的は優勝を目指すこと。その中で悪化したら辞めようと思っていた。その2つしかなかった。中途半端にやれて良かったというのはない」と厳しい表情は崩さなかった。首位とは5打差。明日までに何とか調整し、この日の懸命なプレーをタイトルへとつなげたい。(文・秋田義和)

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