渡邉彩香の挑戦、「今までにない」パー4のティショットで6番アイアン?

渡邉彩香の挑戦、「今までにない」パー4のティショットで6番アイアン?

渡邉彩香がこれまでにない戦略で優勝戦線に名乗りをあげた(撮影:米山聡明)

<ニトリレディス 2日目◇24日◇小樽カントリー倶楽部(6,628ヤード・パー72)>

2015年10月以来の優勝に向け、渡邉彩香がトータル5アンダー、首位と3打差の4位タイで決勝ラウンドへコマを進めた。


渡邉はこの日、新たな戦略で難コースを攻略した。会場の小樽カントリー倶楽部といえば、国内屈指の難易度を誇る名コース。海風が吹き、グリーンのアンジュレーションがきつく、ハザードも巧みに配置される。そんなホールが続くため、一瞬たりとも気を抜けないというのが選手の声だ。

そんな小樽CCの2番ホールは354ヤードのパー4。セカンド左サイド200ヤード地点には池。右には木が立ち、さらにはグリーンの右手前にも池が待ち構える。距離は短いが、第2ラウンドでは難易度5番目のホールとして、選手を悩ませた。

飛距離が出ない選手は迷わず狭いフェアウェイめがけドライバーを振るが、渡邉がティショットで握ったのは6番アイアン。「今までの自分ならできなかったと思います。去年までだったら3番ウッドで中途半端に刻んで、右のラフに入れていたり…」と、国内屈指の飛距離を誇る渡邉にとっては、気持ちのいいホールとはいえなかった。

思い切って6番アイアンを抜いて、フェアウェイに置き、それでも7番アイアンでセカンドが打てるのだから、「簡単にパーが取れた」はず。そんな攻め方ができるようになったのも、2週前に元祖・ぶっ飛びプロの福嶋晃子と練習ラウンドをともにしてからだ。

「(飛距離が出る人には)曲がりはついてくるもの。それ以上に飛ぶということは価値がある。嫌だったら思いっきり刻めばいいよといわれました」と、気持ちが楽になったことを明かす。「そういうところは今までの自分にはなかった」と、曲がりに苦しんだ時期からの脱出も見えてきた。

とはいえ、この日のフェアウェイキープは14ホール中3ホールのみ。それでも渡邉のパワーを持ってすれば、パーオンは14ホール。すべてのホールで思いっきりのいい“刻み”が通用するわけではないが、考え方に幅ができたことによる心の余裕も生まれている。

「小樽はちょっと油断したらすぐ大変なことになるので、1日1日気を引き締めていきます」と、久々の上位争いに浮かれることは当然ない。現在の賞金ランキングは72位。今季はトップ10が3位に入った3月の「アクサレディス」のみと苦しいシーズンを送る。持ち前の豪打と巧みなマネジメントを携え、久々の優勝戦線でひと暴れする。(文・高桑均)

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