新人・渋野日向子を変えた日 女王との夢のラウンドで得た収穫

新人・渋野日向子を変えた日 女王との夢のラウンドで得た収穫

20歳のルーキーにとって、女王とのラウンドは何にも代えがたい経験となった(撮影:村上航)

<ヨコハマタイヤ PRGRレディス 最終日◇17日◇土佐カントリークラブ(高知県)◇6228ヤード・パー72>

一生思い出に残るラウンド。新人ながら、優勝争いを繰り広げた渋野日向子にとって、この日は記念すべき1日になったに違いない。


レギュラーシーズン参戦初年度。今季初戦でいきなり首位と3打差から最終日をスタート。中盤までは互角の勝負を展開したが、最後は実力の差を見せつけられた。終わってみれば3バーディ・4ボギーでスコアを1つ落としトータル3アンダー。それでも6位タイに入り、6月末のリランキング突破に前進した。

2年連続で日本人選手トップを張る鈴木愛と2006年の賞金女王・大山志保とのラウンド。「憧れの人たちと回ることができて緊張はしましたが、楽しみでしかなかった。目の前で優勝を見ることができていい経験になりました」と、素直な感想を述べる。

大山がスコアを崩す一方で、鈴木に食らいついた。前半を終えて鈴木とは1打差。「生意気なことを言うようですけど、チャンスがあるかもしれないと思いました」と、優勝の2文字が頭をよぎった。10番でもチャンスにつけたが決めきれず。奪ったバーディは前半の3つのみ。後半は3ボギーと、「メンタルではなく技術です」ときっぱり。潔く負けを認めた。

百戦錬磨の先輩達にかなわないのは当然だ。特に感じたのは、一打に対する集中力。これまでもパット女王の異名をとる鈴木のパット練習を目に焼き付けてきたが、「優勝争いのなかでの愛さんのパットは集中力がまったく違いました。目に焼き付けました」と、目指すべきレベルを間近で感じ、課題が明確になった。

終盤の15番。勝負どころで6メートルのバーディパットを決めた鈴木のパットを見て、「鳥肌が立ちました」。スネークラインをジャストタッチで沈める一流の技を目の当たりにし「衝撃」を受けた。それでも新人プロは、驚きだけに終わらせず、今後の試合に生かす構えだ。

やるべきは、「練習あるのみ」。強風の中でのプレーで4アンダーをマークした鈴木に近づくためには、歩みを止めるわけにはいかない。「今までで一番、もっと強くなりたいと思いました」と振り返った夢の時間。日課とする夕暮れのパット練習時間が、これでさらに長くなるのは必至。負けの悔しさを忘れることなく、夕暮れから一歩ずつ日向の女になる。(文・高桑均)

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