黄金世代がさらに羽ばたく年 筆頭の勝みなみはスランプ乗り越え今年は一気に躍進【辻にぃ見聞】

黄金世代がさらに羽ばたく年 筆頭の勝みなみはスランプ乗り越え今年は一気に躍進【辻にぃ見聞】

背中から腰が見えるほどの捻転 勝みなみのパワーはここから生まれる(撮影:鈴木祥)

開幕2戦を終えた国内女子ツアー。比嘉真美子、鈴木愛と実力者が続けて勝利したシーズンスタート。上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が開幕2戦で気になった選手をピックアップ!


■開幕戦は水もの、PRGRで気になったのは?
開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」で好成績を挙げたいのは当然のことだが、沖縄の独特の風など難しい面もあるのは事実。好調宣言をしていた鈴木愛でさえも予選落ちするほどの状況。そんななか、2戦目「ヨコハマタイヤPRGRレディス」を終えて、同じく開幕戦で予選落ちをした黄金世代の筆頭・勝みなみが面白いと辻村氏はいう。

「先週は、この世代でトップを走るのは松田鈴英さんというお話をしましたが、PRGRを見て思ったのは、勝さんの状態が素晴らしいということ。元々15歳でツアー優勝していますし、ツアーでのゴルフの経験力が違います。昨年は“プロ”初年度ということもあってスランプを経験しましたが、それを長引かせることなく年内にそれを解決して優勝もしました。そんな勝さんのスイングを見て、今年はさらに安定していると感じました」(辻村氏)。

■シンプルなアドレスとフィニッシュのバランス感覚が絶品
「スゴく調子がよさそうと、まっ先に思えたのが勝さんでした」。元々うまさと経験があるが、今回見て思ったのはバランスが抜群だったと辻村氏はいう。「勝さんの場合は球を曲げて攻めていくといったタイプではないと思うんです。ということは基本となる部分が大事。見ていると、アライメントが素晴らしかったです」。

「構えたときのツマ先、ヒザ、腰、両ヒジ、両ヒジの高さ、肩のライン、これがすべてスクエア。キレイな立ち方というのが一瞬で目に飛び込んできました。それとフィニッシュの収まり方が素晴らしかったですね」と、迷いなく立てている感じが一目でわかるほどだったという。

アドレスがビシッと決まると同時に、フィニッシュもキレイに収まっていた。「PRGRの朝の練習を見ましたが、フィニッシュに入ってくるタイミングが全部同じ。収まりが非常に良かったですね。ダウンスイングでは腹筋を意識してクラブを下ろしてきますが、フォロースルーでは背筋を使ってクラブが体から離れることなく、つまり振り遅れることなく最後まで振り切れていました」と、そのバランスとタイミングの一致が勝つには備わっているという。

■小さいけどリキみを感じない、パワーの秘訣は回転スピードにあり
今季は飛距離も伸びているという勝。160センチに届かない身長だが、昨年のドライビングディスタンスは245ヤードを超え11位。飛ばし屋といってもいい勝のパワーの源はどこにあるのか。「勝さんはあまりバックスイングでコックを入れずにコンパクトにスイングしていきます。トップの位置もコンパクトですが、スイングを正面から見るとわかるのですが、背中から腰が正面からでも見えるほど体を回転していますし、さらにその体の裏側が見える時間が長いのです」と辻村氏は指摘する。

アマチュアとしてツアー優勝を果たしてから5年。トレニーングも欠かさず、強さも出てきたスイングは、「一切のリキみを感じません。静かでシャープなスイング。体の捻転力があって、回転も速い。どこにもゆがみやリキみがない上に、これだけ体の回転を使えれば、飛ぶしコントロール性も高いのは当然です」(辻村氏)。

昨年、大きく話題に上った黄金世代。その中でも一歩先を行くのが勝と見て良さそうだ。「今年は勝さんが大きく躍進するのではないでしょうか。2戦を終えただけですが、経験、スイング、うまさ、強さ、どれをとってもトップクラスです」(辻村氏)。今年はみなみちゃんの活躍に期待できそうだ!

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアンツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアンツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、小祝さくら、永井花奈、藤崎莉歩、松森彩夏、山村彩恵などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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