ペブルビーチが似合う男の一枚を撮るために… テレビでは分からないカメラマン同士の駆け引き【カメラマンの景色】

ペブルビーチが似合う男の一枚を撮るために… テレビでは分からないカメラマン同士の駆け引き【カメラマンの景色】

海も見えて、砂地も見える これが大事なんです(撮影:岩本芳弘)

毎週、ゴルフツアー会場で選手たちを撮影し続けるプロカメラマン。インサイドロープでプロゴルファーの凄みや熱気を感じ、ときおり会話のやりとりを見聞きするなど、“試合中の選手たちに最も近いメディア”であるツアーカメラマンが見た印象的な景色を紹介する。【全米オープン編】


2010年以来の舞台となったペブルビーチ・ゴルフリンクスは、今から100年前の1919年にクラブが設立された伝統あるリンクスコース。加えて設立100周年の記念大会でもあった。

アメリカでも有数のコースとして世界中からゴルファーが集う本コースは、西海岸のカリフォルニア州の海外沿いに悠然と構える。岸壁の上に造られ、時折コースを襲う強風がプロゴルファーにとっては最大の敵となるが、撮影する側から見れば景色が壮観でカメラマン冥利につきるというもの。岩本芳弘カメラマンも「最高の景色の中でカッコイイ写真を!」と期待を込めて乗り込んだ。

だが、練習日は天気が良かったものの、本戦に入ってからは時折小雨がちらつく曇り空。さらには気温も低く、「選手の服装もどこなく暗い雰囲気のものが多くなってしまったのはちょっと残念でした」という中での撮影となってしまった。

そんな状況となった今大会で、岩本カメラマンが“この試合の一枚”に選んだのが、「ペブルビーチならではのこの景色でしょう!」というショット。ビーチが背景に写った最終日のタイガー・ウッズ(米国)である。

この背景で撮影できるのは、9番ホールのセカンドショット地点。松山英樹を撮りつつ、ギャラリーをかきわけて、やっとの思いで着いた撮影場所は同じカットを狙おうとするカメラマンだらけだった。

「たくさんのカメラマン同士の駆け引き?みたいな場所取り合戦です。ひろーいゴルフ場なのに、ピンポイントでカメラマンが密集しています。その構図は外から見ていると面白いと思いますが、世界から集まったカメラマンはみんなピリピリモード全開でした」(岩本カメラマン)

テレビではなかなか映らないところで、カメラマン同士の譲れない戦いが行われた。もちろん理由は“撮りたい構図で撮るため”。岩本カメラマンの結果やいかに…。

「この写真でもわかると思いますが、人物が右にずれたら海ばかりの写真、左にずれたら砂地ばかりの写真になってしまいます。両方が入るポジションには入れたのですが、個人的な気持ちとしては、もう少し右に人物を入れたかったのですね…。海外では100%思うようにはいかないことは多々あります。でも、曇り空でこの写真は十分に納得できる写真となりました」(岩本カメラマン)

次にペブルビーチで行われる「全米オープン」は2027年。「次回は天気が良くなってほしいですね。今度は最終日に黄色い服の松山選手が優勝争いをしながら、この景色で撮影できたら最高です」と次なる撮影に胸を膨らませた。

<ゴルフ情報ALBA.Net>