障害者プロアマで感じたスポーツが持つ力【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

障害者プロアマで感じたスポーツが持つ力【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

障害者チャリティプロアマにはツアープロも参加(大会提供)

スポーツの力が持つ可能性は、もっともっと大きくできる。24日によみうりゴルフ倶楽部(東京都)で行われたDGP障害者プロアマチャリティゴルフトーナメントを取材して、改めてそう思った。あいにくの雨模様だったが、北田瑠衣や今野康晴、市原弘大、薗田峻輔、石井忍らのプロを交えた大会は、笑顔と温かさに包まれていた。 


DGP(NPO法人日本障害者ゴルフ選手会)取材のこの大会は、今年で第6回を数える。様々な障害を抱えたゴルファーや一般アマチュアが、プロと一緒にプレーできる数少ない機会。ゴルフを楽しむといういつもの気持ちに別な楽しみが加わり、笑顔はさらに大きくなる。技を見る、教えてもらう、そしてトッププレーヤーと同じ空気を吸い、直接、会話ができるという喜びがあるからだ。

アマチュアの側が楽しいのはいうまでもない。だが、プレー終了後のパーティーの挨拶を聞いていると、プロの側も得るものが大きいのがよくわかる。「みんなを元気にしようとしに来たのに、逆に元気をもらっちゃいました。って、毎年言っていますね」と、MCを務めた石井が言う。他のプロたちも、いわゆる仕事モードではなく、心からその場を楽しんでいる様子が伝わってくる。

プロアマに出場するプロを見る機会は多いが、これほどみんなが“お義理”な仕事モードではない様子にはめったにお目にかかれない。

今回、初めて参加した北田瑠衣に話を聞くと、笑顔でこんな答えが返ってきた。「皆さんゴルフに対する向上心がすごいんです。スイングやスコアもそうだけど、何より『ゴルフができて楽しい』という喜びが伝わってきました。ゴルフって、年齢もそうだし、色々な障害があっても関係なく一緒にできるスポーツなんだな、と改めて感じました。こういうイベントがもっと増えて、みんなが知ってくれればいいな、と思います」。スピーチでは、こうも言って喝采を浴びた。「また来年も呼んでください」。北田の笑顔に嘘はなかった。

プロスポーツと社会貢献は切っても切り離せない関係にある。競技を見てもらうこと、競技を広めることでお金を稼ぐだけでなく、社会に大きな影響を与えている。プロスポーツをスポンサードする企業の側も同様だ。企業の広報・宣伝活動としてスポーツをサポートすると同時に、社会貢献という一面も重要視しているからだ。

北田の言葉を借りるまでもなく、老若男女が一緒にできるゴルフは、パラスポーツとしても優れている。だが、それを肌で感じている者が、ゴルファーの中にどれほどいるだろうか。障害者と一緒にプレーする、そのプレーを見る、レッスンする、それを伝える…。どれも不足しているように見える。

ツアー競技のプロアマに障害者枠を設けたり、普通にもっと参加を促したりするのは決して難しいことではない。さらに、大会期間中に障害者ゴルフを紹介するのもいいだろう。今年も、男子ツアーの「長嶋茂雄インビテーショナル セガサミーカップ」では、DGPのブースが置かれることが決まっている。ギャラリープラザでそれを紹介する試みは、もっともっと広がって行ってもいいのではないか。男女に加えシニアの各ツアーも社会貢献活動をしていないわけではないが、もっと積極的にそうした活動をするべきではないか。

プロひとりひとりも、様々な機会に障害者ゴルファーとプレーすることは少なくないだろう。それをもっと広めてほしい。それは障害者ゴルファーにとってだけでなく、あらゆるゴルファーや、ゴルフ関係者にとっても大きな意味を持っている。ゴルフの素晴らしさを広めることにつながるからだ。利用するのではなく、みんながみんなのためになる。

『ゴルフができる喜び』は、誰にとっても幸せなキーワードなのだから。『スポーツが持つ力』を、もっとアピールすること。それはツアーの使命であり、生命線でもあるはずだ。(文・小川淳子)

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