最終日のクラブハウスに起きた大行列 知らないコースに挑む選手にうれしいサービス【記者の目】

最終日のクラブハウスに起きた大行列 知らないコースに挑む選手にうれしいサービス【記者の目】

選手たちがこぞって利用する宅配サービス 今週はさらにうれしい計らいが(写真は2017年マスターズGCレディース)(撮影:鈴木祥)

22年ぶりとなる3週連続での4日間大会が行われる国内女子ツアー。3日間大会の多いツアーだけに、日程だけでもタフな戦いとなるが、その内、2週目の「資生堂 アネッサ レディス」が行われる戸塚カントリー倶楽部、そして3週目の「ニッポンハムレディスクラシック」が行われる桂ゴルフ倶楽部は、昨年トーナメントを行っていない新規のコース。過去にトーナメントが行われたことはあるため、コースを知っている選手はまだいいが、若い選手にとってはこれがとても大変なのである。


4日間大会が始まるのは木曜日。資生堂、ニッポンハムは試合前日にプロアマが行われるため、出場する選手(大会によって人数は違うが、全員出場するワケではなく大体40名前後)は18ホールプレーできるが、入っていない選手はその日はラウンドができない。となるとラウンドができるのは月曜日、火曜日に限られてしまう。2日しっかり回ってもコースチェックが100%言えるかどうかは、ギリギリだ。

そう考えると月曜日から練習ラウンドをしたいところだが、ここで一つ大きな問題が発生する。「アース・モンダミンカップ」から資生堂は千葉県から神奈川県なので車で移動すればすぐなのだが、資生堂からニッポンハムは神奈川県から北海道への大移動。普段ツアー会場にはヤマト運輸の出張サービスがきており、翌週のツアー会場まで宅配便を送れるサービスがあるが、神奈川から北海道までは通常であれば2日は要してしまう。

そうなるとキャディバッグを持っての移動となるが、選手が大人数移動すれば、もしかしたら乗せられない荷物が出てきてしまうかもしれない。また、過去にはスーツケースとキャディバッグを持って乗ろうとした際に止められた選手もいたという。そもそも船では間に合わないし、車で行くとすれば寝ずに走らせないと行けない。それでも時間によっては間に合わないかもしれないが…。

そんな選手の心配を解決したのがLPGAとヤマト運輸、そして両コース。今回に限り特別サービスとして、発送した荷物が月曜日中に到着できるようになったのだ。もちろん金額は高くなり、その他様々な条件はあるものの、非常にうれしい限り。

今回の輸送に携わったLPGAの担当者に話を聞いた。

「我々の方からヤマト運輸様(以下ヤマト様)にお願いをしました。北海道の試合がからむ日程のときはどうしても中1日絶対に挟んでしまいます。それも翌々日の午後に到着ということもあり、それだと火曜日の練習ラウンドで使えません。そういったときは到着するゴルフ場の管轄のヤマト様に、早めに入れてもらえるようにお願いしたりしています」と、北海道の試合がからむときは、以前から現地の宅配業者やコースにお願いしていた。だが、今回はさらにタイトなスケジュールとなった。

「今回は4日間大会が続くので、少なくとも火曜日の練習ラウンドで使えないと厳しいなと思いました。元々ゴルフ便での扱いだと、水曜日プレーで火曜日には届くけど何時か分からないという状況でした。こればかりはどうしても地区によって色々違いますから、宅配業者さんだけに話せばいいというものではありません。送る側の神奈川のヤマト様と現地のヤマト様、そして受け取る側の桂ゴルフ倶楽部様と相談して、月曜日には納品できて、少なくとも火曜日の朝には使用できるように特別にやっていただきました。ヤマト様がかなり無理してやってくださったそうです。本当にありがたい限りです」

最終日にはこのサービスを受ける選手たちによる長蛇の列ができた。すぐ送るため、その場でX線検査を受けなければならず、それにより時間もかかったが、それは多くの選手が利用したからこそ。それだけ、選手にとってもうれしいものだったのだろう。

このサービスを利用した、米ツアーで長年戦ってきた申ジエ(韓国)も、「アメリカツアーでは自分たちで重い荷物をたくさん持って移動することが当たり前でした。飛行機に乗れば超過料金を取られることもままありますし、荷物もかさばります。本当にありがたいサービス。毎週ツアー会場に来て次の会場に送っていただけるだけでもありがたいのに、今回は無理して月曜日に届くと聞きました。感謝しかありません」と感無量。

「ヨネックスレディス」で優勝争いを演じた米ツアーを主戦場とするキム・ヒョージュ(韓国)は、「優勝して出場権を得たら日本ツアーで戦いたい」と話した。その時に理由として挙げたのが「環境が素晴らしい。特に荷物の輸送サービスがとても素晴らしいですから(笑)」とツアー会場から“確実”に“早く”届けてくれる日本の宅配便サービスを絶賛していたが、あながち大げさではなさそうだ。(文・秋田義和)

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