「ゴルフに笑顔を取り戻した」目の肥えた英国ファンの叫び 渋野日向子を絶賛

「ゴルフに笑顔を取り戻した」目の肥えた英国ファンの叫び 渋野日向子を絶賛

青木翔コーチ(左)との冗談もスマイルの要因だった(撮影:村上航)

<全英AIG女子オープン 最終日◇4日◇ウォーバーンGC(イングランド)◇6585ヤード・パー72>

おとぎ話のエンディングとして、これほどセンセーショナルでハッピーなものがあるだろうか。海外試合初出場で女子メジャー制覇を一発で仕留めた渋野日向子。昨年プロテストに合格したばかりのルーキーが、ゴルフ大国のイングランドで偉業を成し遂げた。


最終ホールで劇的なバーディを奪い、並んでいたリゼット・サラス(米国)を突き放した。4日間トータル18アンダーまで伸ばす圧巻のゴルフ。1977年に「全米女子プロゴルフ選手権」を制した樋口久子以来42年ぶりの快挙は、世界中を驚きに包んだ。

ラウンド中の笑顔はもはやトレードマークとなり、外国人ギャラリーも渋野を追った。「最初は日本人だったけど、最後はこっちの人とも、小さい子ともハイタッチしていた」。まさに渋野ワールド全開で、一大センセーションを巻き起こした。

歯切れのいいゴルフに加えスマイル満天。日に日にファンは増え続け、毎ホール、ハイタッチを求める列がホール間にできた。「ヒナーコー」の声援が飛び交う中で、日本のスマイルシンデレラは笑顔のプレゼントを振りまいた。最終日の最終ホール、グリーンに上がる歓声は、そんな渋野の4日間に対する感謝の拍手へと変わった。

キャディを務めるコーチの青木翔氏と談笑し、冗談を言い合った4日間。最終ホールのセカンド地点では前の組のプレーでかなり待たされたが、駄菓子を食べながらキャディと冗談の飛ばし合い。「ここでシャンクしたらかっこ悪いな〜」、「プレーオフは嫌だったから、3パットすればプレーオフはない(=負ける)って話したら、怒られました(笑)」など、ジョークで冷静さを保ち、最後はカップを壊さんばかりの強気なパットで優勝を勝ち取った。

ホールアウト後、「やっちゃった。どうしよう(笑)」とおどける渋野は表彰式、インタビュー、会見、サインなど多忙を極め、家族やチームとコースをあとにしたのが午後9時(日本時間午前5時)過ぎ。そこで最後まで残ったファンの中年男性が残した言葉が印象に残った。「彼女はゴルフに笑顔を取り戻した」。

渋野にとっても、ゴルフファンにとっても夢のような1週間。20歳のツアールーキーがゴルフ界に残したインパクトは、イングランドの目の肥えたファンをもうならせた。日本ゴルフ界の誇り、渋野日向子。日本のゴルフが頂点に立ったこの日は、後世まで語り継がれる日になった。(文・高桑均)

<ゴルフ情報ALBA.Net>