メルセデス最優秀賞にメジャー3冠で7年シード 申ジエの強さの秘密はどこにある?【記者の目】

メルセデス最優秀賞にメジャー3冠で7年シード 申ジエの強さの秘密はどこにある?【記者の目】

今季メジャー3勝 申ジエの強さの理由は?(撮影:米山聡明)

見事な逆転劇で今季4勝目を達成した申ジエ(韓国)。最終戦かつ公式戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を制したことによって、「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」、「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」に続き、メジャー3冠を達成。史上初となる同一年度公式戦3勝を果たし、7年シードを手にした。


シーズン開幕時に掲げた賞金女王の目標は果たせなかったが、賞金ランキングとともに総合的な強さを示す指標、メルセデス・ランキングでは堂々の1位に輝き、賞金500万円とメルセデスベンツの高級車も手に入れた。同ランキング1位の座に与えられるメルセデス最優秀賞を手にし、「90点の1年でした」と、気持ちよく宮崎の地を後にした。

メルセデス・ランキングは2012年に始まり、今年で7年目を迎えた。簡単にいえば、出場大会の成績によるポイントと年間のラウンド数のポイントの合計で競われるポイントレース。いかに安定した順位をキープし、かつラウンド数をこなしたかどうかで、最優秀賞が決まる。各大会によって賞金額が違う獲得賞金による賞金ランキングとは別に、総合力を図るものとして導入。今季の賞金女王は5勝を挙げたアン・ソンジュ(韓国)だが、最優秀賞はジエ。常に安定したプレーが光った結果、栄冠に輝いた。

本大会、ジエの強さはどこにあったのか。ずばりパー5での取りこぼしの少なさだ。4つあるパー5は4日間で合計16コ。ジエはこれを9バーディ・1ボギーで回り、8つの貯金をつくっている。トータル11アンダーの優勝スコアを考えれば、いかにこの数字が大きいかがわかる。

2位に入ったペ・ヒギョン(韓国)は初日にパー5で2イーグルの離れ業をやってのけたが、それでも4日間トータルで同6アンダー。3位タイの鈴木愛は同5アンダーだったことを考えれば、いかにパー5でスコアを伸ばすかが重要ということ。ジエは年間を通してパー5の平均スコアが1位。バーディを計算できるホールで確実に獲る。安定した強さはそんなところにあるといっていい。

ちなみに鈴木と同じく3位タイに入った比嘉真美子は本大会で同9アンダー。惜しくもプレーオフ進出を逃したが、年間ではジエに続く2位で、メルセデス・ランキングも賞金ランキング4位より上位の3位に入った。

ジエの強さはこれだけではない。ドライビングディスタンスは232.94ヤードで58位ながら、パーオン率は1位。派手さはないイメージだが、1ラウンド当たりの平均バーディ数でも2位と、実は攻撃力が持ち味だ。

グリーンが硬ければ高い球で止め、17番では深いラフからウェッジで放ったショットでスピンをかけてピンそばにつけた。状況に応じて打ち方を変えており、確実にバーディチャンスにつける術を駆使してスコアをつくっている。

比嘉のように飛距離が出る、明らかな攻撃的プレーヤーもいれば、鈴木のように神パット連発でバーディを重ねる選手もいる。鈴木は平均パットに加え、平均ストロークも史上2番目の最少数字で終えたが、夏場のケガによる離脱が響いてしまった。ところがジエは安定したプレーに加え、ケガや体調不良による離脱がほとんどない。経験、技術、体力、すべてにおいて他のプレーヤーよりも格が上ということだ。

「来年こそは賞金女王になりたい」と少々の悔いは残るが、ツアープレーヤーの中で総合力1位に輝いた実績が持つ意味は計り知れない。これまでの6年間で女王以外の選手が最優秀賞に輝いたのは13年の横峯さくらただ1人。賞金女王こそ逃したが、LPGAが『真・女王決定』と呼ぶこの最終戦を制したジエも、女王と呼ぶにふさわしい選手だったと思う。(文・高桑均)

【メルセデス・ランキング(LPGA Mercedes-Benz Player of the Year Rankings)】
LPGAツアー競技の各大会での順位や出場ラウンド数をポイントに換算し、年間を通じての総合的な活躍度を評価するランキング。

(1)LPGAツアー競技を対象に、各大会の上位20名に順位に応じたポイント(成績ポイント)を加算する
(同一順位に複数の選手が並んだ場合、ポイントの均等割りは行わず、順位に応じたポイントを全員に与える)
(2)公式戦での成績ポイントは2倍にして加算する
<例:1位の場合> 30pt×2=60pt加算
(3)公式戦以外の4日間競技での成績ポイントは1.5倍にして加算する
<例:1位の場合> 30pt×1.5=45pt加算
(4)出場ラウンド数をポイントとして加算する(1ラウンド=1pt)
<例:3日間競技の場合> 決勝進出=3pt 予選落ち=2pt
<例:4日間競技の場合> 決勝進出=4pt 予選落ち=2pt
※1ラウンド18ホールで1pt、9ホール短縮の場合は0.5pt、棄権・失格したラウンドは0ptとする
(5)以上の各ポイントの合計で順位を決定する
(6)合計ポイントが同一の場合は、成績ポイントが上回る者を上位とする
ポイント内訳も同一の場合は、優勝回数>獲得賞金額の順に評価する

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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