石川遼、首位と7打差の代償で得たものは“自分の中にあった甘さへの気づき”

石川遼、首位と7打差の代償で得たものは“自分の中にあった甘さへの気づき”

石川遼の発見 あすはどこまで伸ばすのか(撮影:佐々木啓)

<RIZAP KBCオーガスタ 3日目◇31日◇芥屋GC(福岡県)◇7103ヤード・パー72>

朝のドライビングレンジでは、好調なショットを連発していた石川遼。好天にも恵まれ、この日は7アンダーを出せるのではないかという期待が自分自身にあったという。しかし、終わってみれば、1イーグル、3バーディ、2ボギーの「69」止まり。首位とは7打差の10位タイに後退した。


「そんなにショットが悪かったわけではありませんが、ピン側につけることができていなかった感じですね」

と振り返る。この日の石川はラウンドを通して流れにうまく乗り切れなかったように見えたが、スタートの1番パー4でのプレーがこの日のラウンドを暗示していたのかもしれない。ティショットをアイアンで打ちながら右ラフに入れると、第2打がグリーン右手前のバンカーにつかまる。ピンが手前のグリーンエッジから9ヤード。できれば手前から攻めたい気持ちがあったのか、ボールはグリーンに届かず、ラフの中へ消える。チップインを狙ったものの、ボールはカップを30センチショートして、ボギーに終わった。石川には珍しく1番から5番までパーオンしないホールが続く。

「いい球を打っているのにグリーンをオーバーしたり、ショートしたりで、クラブが半番手ほど合っていませんでしたね」

その理由を本人は、メンタル的な部分にもあるのではないかと分析する。自分の心に隙があったのではないかというのだ。

「7アンダーを出したいという気持ちはありましたが、気持ちだけではいいスコアが出ないことを改めて思い知らされました。いいプレーをして初めていいスコアを出せる、どうしてこんなことを忘れていたのか分かりませんが、それを再認識できたことはいい経験になりました」

チップインなどでバーディを奪うことはそう何度も起こることではない。しっかりとティショットをフェアウェイに落とし、グリーンに乗せて1パットで沈める。いわば王道のゴルフこそが、好スコアにつながることをあらためて気づいたわけだ。けっして調子がよくない状態でも優勝してきた実績が、当たり前のことを忘れさせる小さな穴となり、それがいつの間にか大きくなっていたのかもしれない。

ただ、まったく収穫がなかったわけではない。ここ最近ずっと励んでいたロングパットのタッチが少しずつ合ってきたのだ。練習グリーンでボールを5球転がし、すべてが1メートル以内に集まるようになるまで続ける練習だが、ようやくタッチに合う距離感を見つけたのだ。それが6番パー5で10メートルのイーグルパットを沈めることにもつながった。実践でも練習を体現できたことが何よりもうれしかったという。

「いいスコアをマークしても届かない位置にいることは悔しいですけどね」

上位との差は広がったが、まだまだ今シーズンは先が長い。この日のゴルフをどう生かすか、まずは明日の最終日にその真価が試される。(文・山西英希)

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