1年ぶりのノーボギーラウンドに光 渡邉彩香が抱えた苦悩「ドライバーを打てなくなるのでは…」

1年ぶりのノーボギーラウンドに光 渡邉彩香が抱えた苦悩「ドライバーを打てなくなるのでは…」

ティショットではスプーンも多用 この辺りのメリハリもスコアの要因(撮影:米山聡明)

<ゴルフ5レディス 初日◇6日◇GOLF5カントリーサニーフィールド(茨城県)◇6380ヤード・パー72>

“苦悩の出口”をはっきりととらえるラウンドになった。渡邉彩香が4バーディ・ノーボギーのラウンドで14位タイと上位発進。実に昨年の「日本女子オープン」第1ラウンド以来、約1年ぶりとなるノーボギーのラウンドに「久しぶりなのでうれしい」と、飾らない本心を語った。


「ピンチもあまりなかったし、よかったと思います。久しぶりに、ですね」。この日のラウンドを振り返り、安堵の表情を浮かべた渡邉。2番パー3で6番アイアンで放ったティショットを2mにつけてバーディを先行させると、8番〜10番では3連続バーディ。9番パー5では、残り215ヤードを2オンさせるなど、かつてのような力強いゴルフも見せながらスコアを伸ばしていった。「後半は惜しいのもあったので、もう2つは伸ばすことができたかな、という内容でした」。少し心残りもあるが、それだけチャンスを作ったともいえるラウンドだった。

プロ3年目の2014年にツアー初優勝。翌年には2勝をあげるなど、若手のホープとして順調な成長を続けた。172cmの長身から繰り出される力強いドライバーショットは代名詞となった。しかし、当時からドライバーの際に出るスライスが気になり、それを修正しようという試行錯誤。これが、調子が下降線をたどるきっかけになった。「(ドライバーは)打ってみないと、右、左どこへ行くのかわからないという感じ。とりあえず、ぶつけて打って、『右に曲げておけばいいや』という感じのショットを、その場しのぎで打っている状態でした」。応急処置的な対策を続けたことで、 渡邉は深い迷路にはまり込んだ。

その後は優勝はおろか、昨年には5年間続いたシード選手から陥落。さらに今年の第1回リランキングも62位に終わり、40位前後までが手にできる中盤戦のフル出場権も失った。「昨年半ばから今年の夏前までは、一番苦しかったですね」。深い悩みは「このままドライバーを打てなくなるんじゃないか、もう戻らないかもしれない…」という考えまで引き起こした。だが、ここ1カ月ほどでその状況が好転する。

「基本的な練習をずっと続けてきました。突っ込まないとか、ボールに当たる時のフェースの位置、フェースローテーションの加減とか。練習場ではできても、それが試合になるとできない。試合では、自分が安心する打ち方で打ってしまっていました。その殻を破ってではないですけど、少し怖いけど『こう振ればいいんだ』というのを毎試合積み上げてきて、やっとつながった感じです」

今では「半分不安」というなか打っていたティショットが、「100%不安がない状態で打てている。曲がることもなくなった」。プレー、内面ともに大きな変化を感じることができている。さらに「マネジメント」を意識することで、ティショットではスプーンも多用。計測ホールの平均飛距離も「269ヤード」で全体5位という飛ばしを実現しながら、この日のフェアウェイキープはパー3以外の14ホールで9ホールを数えた。

「今は3年ぶりくらいにストレスなく打てていますね。優勝した時に戻ったというよりも、自分が目指していたスイング、打ちたい球に近づいたという感じ」。初優勝から約5年の歳月を経て、25歳になった渡邉。長年の苦しみを乗り越え、新たな境地に到達する姿に期待したい。(文・間宮輝憲)

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