深いラフが生んだ手品のような“珍プレー” このケース、ルール的にはどうなるの?【きょうの“パンチショット”】

深いラフが生んだ手品のような“珍プレー” このケース、ルール的にはどうなるの?【きょうの“パンチショット”】

手品のような珍プレーにビックリの原江里菜(撮影:鈴木祥)

トーナメント会場で、選手の印象的な言葉や、プライベートシーンなどを耳にする機会が多い現場記者。そのなかで『あの時、何を考えていたの?』、『今ハマっているものは?』、『プロの悩みって?』…のような選手の素の表情やツアーの裏側が分かる、ちょっと“パンチ”の効いた(?)話をお届け!【ゴルフ5レディス】


「ゴルフ5レディス」初日には、一つの“珍プレー”が生まれた。それに遭遇したのは原江里菜だ。会場のGOLF5カントリーサニーフィールドは、場所によって深いラフが生い茂り、ひとたびはまると…、その後のプレーに影響が出るほど。そして、このラフにまつわる珍プレーが発生した。

舞台は初日の4番パー4。原のセカンドショットがグリーンをオーバーしてしまったのだが、はまったラフが相当に深く、ボールを発見するのも一苦労するほど。「ボールがなかなか見つからず、ギャラリーの人が『右!左!』みたいな感じで教えてくれて発見できました」と、捜索にかなり時間がかかった。

ようやく見つけ、プレー再開。アプローチをしようと、ボールの横で素振りをしたその時、“事件”が起こった。クラブをピュンとひと振りすると、いきなり身に覚えのない“ボール”がラフから飛び出していったのだ。 「???」。手品でも見たかのように、こんなマークが、そこにいた人達の頭に浮かんだ。

プレーしている原にとっては、その衝撃は大きく、「最悪…ペナルティだ」と一瞬ガックリ。もちろん原のボールは最初に発見した地点にあり、素振りで間違って自分の球を打ったわけでもなかった。

実はこの“ナゾのボール”、前日のプロアマで使用されていたものが、ラウンド後も発見されず、そこに残っていたものと推測。すぐさま競技委員が呼ばれ、ルーリングの確認が行われた。結果としては、2019年版の規則(※5.5a)により、このプレーが『球を打つ意思なしに行われる練習スイング』で発生したものであると確認。裁定集にも『練習スイングで、草の中に隠れていた球を動かすのは、球を打つ意思がプレーヤーになかったことが明白なため無罰』というケースが記載されており、誤球などにはあたらず無事ノーペナとなった。

この競技委員を待っている間に、ひと呼吸おけたこともあり、「すごく冷静になれた。そこから流れもよくなりました」という原。その後の深いラフからのアプローチもしっかりと寄せきりナイスパーセーブ。4アンダー・14位タイの好発進につなげた。「ペナルティだったら、ほんと(ラウンドを)やめてやると思いました!(笑)」。最終的には笑って振り返るできごととなって、ホッと一安心…、と同時に、そのラフの深さを思い知らされる話になった。

※規則5.5a『ホールのプレー中、練習ストロークの禁止』
ホールのプレー中、プレーヤーはコース上、またはコースの外のすべての球に対して練習ストロークを行ってはならない。次は練習ストロークではない。
・球を打つ意思なしに行われる練習スイング。
・単に親切心で、練習区域や別のプレーヤーに球を戻すために打つ。
・ホールの結果が決定したプレーヤーがそのホールを終えるために行ったストローク。

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