白熱した史上最多のプレーオフ 選手の名前…、全員わかりますか?【記者の目】

白熱した史上最多のプレーオフ 選手の名前…、全員わかりますか?【記者の目】

男子ツアー人気回復のカギはやっぱりプレーの迫力?(撮影:佐々木啓)

大会の観客動員数を見ても、テレビの視聴率を見ても、なかなか女子ツアーに勝つことができない男子ツアー。先週、女子は「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」が開催されたが、畑岡奈紗や渋野日向子らで大にぎわいとなり、公式戦だったとはいえ、男子の倍近くの3万5719人を動員した。『人気低迷』が叫ばれる男子だが、何が違うのだろうか。


昨年は北海道胆振東部地震の影響で中止となり、2年ぶりに行われた「ANAオープン」。選手どうしの様々な思いがぶつかるかのごとく、白熱の展開となった。予選2日間では、大会7勝を誇るジャンボこと尾崎将司が登場して多くのファンを引き連れ、週末に入ると2015年覇者の石川遼が最終日に猛チャージ。優勝争いに絡む追い上げを披露して首位と2打差の6位タイに入った。大会2勝の池田勇太も、前週負傷した足の痛みを耐えながら最終日に1イーグル・7バーディ・4ボギーの「67」と躍進。ほかにも、17年大会でプレーオフに敗れた時松隆光と今平周吾がリベンジをかけて活躍して上位入り。最後は浅地洋佑、時松、嘉数光倫、スンス・ハン(米国)、ショーン・ノリス(南アフリカ)と、男子ツアー史上最多となる5人のプレーオフにもつれこみ、最後の1打まで息をのむ試合展開で盛り上がった。

ところが、試合展開に関係なくギャラリーがついて歩く組はどうしても偏る。本大会では、おととしから引き続きコース内に『ハイタッチゾーン』を設置。選手とファンとの触れ合いを目的に設置されたもので、最も多くのファンが手を差し伸べたのがジャンボや石川の組だった。そんな中、「僕にとっては全ホールがハイタッチエリアです(笑)」とサービス精神を発揮していたのが中西直人。同組の選手がバーディを獲れば積極的に声を挙げ、ファンがいれば顔を向けて手を振る。プレー中も盛り上げに一役買い、「多分地元の方なんですけど、はじめてついて歩いてくれた人がいて盛り上げてくれた。ゴルフは見てもらうものでもあるから、楽しんでもらいたい」。会場で実際に選手を見て、ファンになる人も多いだろう。

女子ツアーでは、選手の名前が入ったタオルやシャツを着て歩くファンの姿が見られる。中には横断幕を振って応援するファンもいるが、男子ツアーではそういった姿はあまり多くは見られない。 “選手”というより“プレー”を楽しみに来るファンが、どちらかといえば多いためだろう。

最終日、試合を終えて上がってくる選手を待っていると、優勝した浅地のサイン待ちの列に並んでいた男性ギャラリーから「プレーオフに出ていたのは、なんていう選手?」と声をかけられた。大会に来るのは3度目という男性は初日から通して観戦、この日は石川の組にハーフラウンドついて回ったという。「選手については詳しくないから、誰を観に来たというのはない。男子プロのゴルフがどんなものかを見るのが楽しい」。様々なプロの技を見るのが好きなのだと、北海道で行われた女子ツアーも全日程見に行くほどのゴルフファンだが、男子については、選手の顔と名前があまり一致していない様子だ。

それでもこの男性は、観戦中に気になったという選手のサインを集めて回っているのだとか。迫力のプレーと技のぶつかり合いで、生でみた人を圧倒するのが男子ツアーの魅力。その中で、次は“この選手にまた会いたい”と会場に来てくれることが、人気回復の鍵になるかもしれない。(文・谷口愛純)

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