イ・ボミも女王戴冠時のパターにカスタム 複合シャフトは何がいい?【女子プロから学ぶセッティングのスパイス】

イ・ボミも女王戴冠時のパターにカスタム 複合シャフトは何がいい?【女子プロから学ぶセッティングのスパイス】

この“カスタム”パターでシード当確!(撮影:鈴木祥)

一般アマチュアゴルファーは、同じ40m/s程度というヘッドスピードが近い理由で女子プロを参考にした方が良いと言われているが、参考できるのはスイングだけではない。女子プロたちも我々アマチュアと同じように「球が上がらない」など多種多様の悩みを抱えていて、それを矯正しているのは、スイングだけでなく14本のクラブたちなのである。


そこで、女子プロたちがクラブセッティングにしている、ちょっとした工夫=スパイスをピックアップ。クラブ選びの参考にしてきたい。今回はイ・ボミ(韓国)のパター。

前週の「スタンレーレディス」で6位タイに入り獲得賞金が2500万円を超え、2年ぶりとなる賞金シードに当確のランプを灯して「めっちゃうれしいです!」と喜んだボミ。その手に握られていたのは“カスタム”されたパターだった。ヘッドは賞金女王戴冠時のエースパターであるオデッセイの『ホワイトライズiX #1SH』だが、ささっているシャフトは今年発売された『ストロークラボ』のシャフトだった。

このカーボンとスチールをひっつけた複合シャフトは、女子ツアーで着々と勢力を拡大している。本来ヘッドとセットで1つのモデルとなっているこのストロークラボだが、上田桃子や李知姫(韓国)もボミと同じように自らのエースパターのヘッドに、このシャフトをさしてツアー優勝を挙げている。このツアーでの動きにオデッセイも反応、本来のストロークラボではないEXOシリーズに同シャフトを入れる“カスタム”を開始。メーカー担当者によれば「これからさらにカスタムを増やしていきたいです」と今後、他のモデルでもカスタム対応が行われる可能性が高い。

カスタム可能となれば、今使っているヘッドを替えたくなくて諦めていたアマチュアもボミや桃子のような“工夫”が可能になる。歴代女王も気に入ったこのシャフト、どんなゴルファーにオススメなのか。プロコーチ&クラブフィッターの筒康博氏が解説する。

発売時から米国では「ゲームチェンジャー」とまで呼ばれたこのシャフト。筒氏は「余剰重量をヘッドとグリップエンド部に配分したクラブ全体のコントロール性の高いパターシャフト」と説明。「しっかり打ってもヘッドが暴れず、タッチやストロークを安定させたい特に距離感に悩むゴルファーには非常に効果が期待できます。逆に言えばこのパターシャフトが合わないゴルファーが僕には想像がつきません」とまで言い切る。

とはいえ、ヘッドとシャフトを合わせて設計されるのが普通のこと。なぜ、別モデルのヘッドとも相性がいいのか。「最大の理由は、カーボン部分の高い剛性です。パターでもシャフトのしなりや捩れはわずかに起こりますが、カーボン部分がシャフトの挙動を最小限に抑え大型ヘッドや重ヘッドの操作性を高めてストロークの再現性アップに大きく貢献しています。ゴルファーにとっては“自分で打った分だけ転がる”フィードバックが得やすいシャフトと言えます」。ボミがシャフトだけでも採用する理由がここにある。

筒氏はカスタムが始まった今、一度は試して欲しいという。「仮に完成品が好きじゃない方でも、カスタムオーダーで気に入ったヘッド形状としっくりくるグリップが選べれば、パッティングは確実に向上すると思います」。気をつけて欲しいのが一点。「極端に軽ヘッドや軽いグリップを装着してパター全体の重量を軽くしすぎてしまった場合は本来のコンセプトから離れてしまうので性能を発揮しない可能性は考えられます」ということなので、まずは自分のエースの重量と相談して試して欲しい。

解説・筒康博(つつ・やすひろ)/プロコーチ・フィッター・クラフトマンとして8万人以上のアドバイス経験を生かし、現在は最先端ギア研究所『PCMラボ』総合コーチ、インドアゴルフレンジKzヘッドティーチャーを務める。ALBA本誌ギア総研をはじめ様々なメディアでも活躍している。

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