好きな色ってだけじゃない! 古江彩佳から見るグリップの相性と重要性【女子プロから学ぶセッティングのスパイス】

好きな色ってだけじゃない! 古江彩佳から見るグリップの相性と重要性【女子プロから学ぶセッティングのスパイス】

古江彩佳の手に握られているのは赤いグリップ(撮影:上山敬太)

一般アマチュアゴルファーは、同じ40m/s程度というヘッドスピードが近い理由で女子プロを参考にした方が良いと言われているが、参考できるのはスイングだけではない。女子プロたちも我々アマチュアと同じように「球が上がらない」など多種多様の悩みを抱えていて、それを矯正しているのは、スイングだけでなく14本のクラブたちなのである。


そこで、女子プロたちがクラブセッティングにしている、ちょっとした工夫=スパイスをピックアップ。クラブ選びの参考にしてきたい。今回は古江彩佳のグリップ。

古江は厳密にいえばまだプロではない。だが、アマチュアとして「富士通レディース」を優勝、プロテストを受けることなくプロゴルファーとなる資格を得た。伸ばし合いに食らいつくどころか先頭に立って多くのプロたちを突き放す姿は“プロ顔負け”どころか一流プロのたたずまいすら感じさせた。

そんな古江のクラブのこだわりが「勝負カラーなので」とドライバーやアイアンなどに装着する赤のグリップ。全番手に目立つ色を使用しているのでとても目立つが、プロコーチ&クラブフィッターの筒康博氏は「このイオミックの『Moebius(メビウス)』というグリップはショットの精度という面でも古江さんに非常に合っているんです」と話す。一体どの辺りが合っているのか。そこからアマチュアは自分に合うグリップをどう見つければいいのか。古江の“工夫”から探っていきたい。

そもそも古江が使うイオミックの『Moebius(メビウス)』とはどんなグリップなのか。

「カラーデザインが綺麗で豊富なイオミックのグリップのなかでも、古江選手が使用している。『Moebius(メビウス)』は、可変スリーブクラブに合わせ360°同じグリップパターンを施したモデル。バックラインと呼ばれる凸部が無いので、どの位置で握っても同じ感覚でグリップできます。また、スイング中の不要なグリップの捻れを抑えた『LTC』機能を搭載しています。柔らかさとしっかり感を両立したイオミックらしい進化系グリップです」と説明する筒。あくまで推測になりますが、という前置きのもとどう合っているかを話す。

「彼女の正確無比なドライバーを例に機能軸でみた場合、つかまりのいいブリヂストンのドライバー『ツアーB』ヘッドと先端がしっかりしたフジクラコンポジットのシャフト『スピーダーTR』を強すぎないグリッププレッシャーで支えて、手元のコントロールをするのに非常にマッチしている印象があります。スイングをみる限り、特に左腕の位置がブレずにうまくコントロールしやすいようですね」(筒)

ヘッド、シャフトと比較するとおろそかにしがちなグリップだが、筒は「それらと同じくらい重要だと思って下さい」と力説する。「まず大前提として、表面がツルツルして硬くなっているのは論外。滑るのを気にして力んでグリップしてしまいますし、クラブが離れて飛んだら大事故の元になります」とボロボロまで使用するのはショットを乱してしまうので避けたい。

「手の大きさ、指の長さに合わせた適切なグリッププレッシャーで握れるグリップほど、クラブ自体の性能を発揮してくれます。その上で、古江選手のように硬さや捻れなど色々試してベストが見つかるのが理想的です。皆さんも経験があると思いますが、握り方を変えることは、スイング改造でかなり難しい作業の1つ。そこでグリップのスペックを変更することで誘導的に握り方を改善する事が出来ます」(筒)

そして古江も取り入れており、意外と大きな効果が期待できるというのが色覚だ。「もう一つが、カラーリング効果。古江選手が使用している【コーラルレッド】にも、好きな理由があるはずです。明るく薄い色ほど柔らかく感じやすく、黒はしっかりとした印象があります。例えば、強く握り過ぎてしまうなら黒はやめて薄いグリーンやブルーにするのもオススメです」と、色を変えるだけでもグリッププレッシャーのクセを変える可能性を秘めているという。

では、どうしたら自分に合うグリップを見つけられるのか。その1つとして筒氏が提案するのが減り具合の位置を見ること。「親指の場所が減っていたり、グローブに穴が空きやすいなら、太さや硬さが合っていない可能性が高いです」。自分のクセを把握してから、ショップに行くと早い。そこから色んなグリップを試していくといい。「クラブとの唯一の接点がグリップ。適切なグリッププレッシャーが腕や肩のリキみ、カラダ全体の動きにまで影響を与え、クラブの動きやシャフトのしなりにも変化を与えます。これらも踏まえて、スイングへの影響をみながらグリップを決めて行くのが理想ですよ」。どうしても元から装着されているものを使用しがちなグリップだが、ヘッドやシャフトのように打ち比べてシビアに決めていきたい。

解説・筒康博(つつ・やすひろ)/プロコーチ・フィッター・クラフトマンとして8万人以上のアドバイス経験を生かし、現在は最先端ギア研究所『PCMラボ』総合コーチ、インドアゴルフレンジKzヘッドティーチャーを務める。ALBA本誌ギア総研をはじめ様々なメディアでも活躍している。

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