「結果はすべて受け入れる」 大山志保が終盤戦で抱く“覚悟”

「結果はすべて受け入れる」 大山志保が終盤戦で抱く“覚悟”

大山志保は3打差9位タイ発進(撮影:米山聡明)

<樋口久子 三菱電機レディス 初日◇1日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6585ヤード・パー72>

「やるべきことを積み重ねたうえで、出た結果についてはすべて受け入れます」


「樋口久子 三菱電機レディス」初日に3アンダー・9位タイと好発進した大山志保は、“明るい表情”でそう話した。この大会前まで24試合に出場し、獲得賞金は約1389万円。現在賞金ランク68位と、かつての女王はシード確保の瀬戸際に立たされている。苦しいシーズンを送るなか、それでも“実りの秋”になる予感を胸に、前を向いて残り試合をプレーしていく。

昨年は「ヨネックスレディス」で2季ぶりの優勝。2年前に患った頚椎間板ヘルニアからツアーに復帰し、4試合目でつかんだ勝利で“不死鳥”とも言われる復活劇をみせた。この優勝で今季の出場権は確保したが、“強いこだわり”を持つ賞金シードに向け奮闘。ランク37位でそれも手中におさめた。

しかし今年は試練の年になった。慢性的に首痛などを抱えるなか、開幕前週に体が悲鳴をあげた。それでも試合は待ってくれるはずもなく、痛みを抱えたままシーズンインした。そして「痛いなか、その場しのぎでごまかしながら」プレーした結果、自分のスイングを見失った。「これまで打ったことがないようなショットが出て。アイアンはダフるし、ドライバーはフェアウェイに飛ばない。スイングを無くしてしまって、さらにそれがショット、パットとダブルで来てしまいました」。

地元・宮崎で行われた「アクサレディス」からは8試合で6度の予選落ち。「これまではケガをしてもうまくカバーできていました。ラッキーなだけだったのかもしれないですが、今年は何やってもダメ。それが今に至っているという感じですね」。ツアー通算18勝を誇る実力者が送る、試行錯誤の日々。6月以降は予選落ちがグッと減り、「富士通レディース」あたりからはショットが手ごたえを感じられるレベルまで戻ってきた。

しかし、パットに関しては「何をやっても入らないし、初めてここまで悩んだ。考えすぎているからカップに届かないし、“えっ”っていうミスも出る」と、復調の兆しが見えてこなかった。それだけに、今大会の初日に「パットが少しずつよくなってきました」と言えることがうれしかった。“少しずつよくなっている”状態。これこそが、今の大山の原動力だ。

シーズンも気が付けば、出場者が限られる「TOTOジャパンクラシック」、「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を除き今季も残り3試合。そんな終盤戦を前に大山は、こんな気持ちを抱いている。

「シードや優勝を意識すると、自分がやるべきことができなくなってしまう。とにかく今はゴルフのレベルを一段階、一段階上げていきたい。全力で毎日毎日、自分のレベルが少しでも上がるようにベスト尽くすことが優先。全力でやれば、最後まで何があるか分からないですから」

この日も3週連続で一緒の組になった福田真未と、「ケラケラ笑いながら」楽しいラウンド。「福田真未ちゃんに、『3試合一緒に回ったなかで、きょうのパットが一番良かったですよ』っても言ってもらえたから、また明日もこれでいこうって(笑)。いつも2人で評価し合っているんです」。“お墨付き”がもらえたことで、さらに自信も深まる。いい時期の状態に戻るまで、この自信を深める作業を繰り返していく。

「今は全く悲観的ではなく、むしろ明るいんです。秋になって、どんどんよくなってるから。あとはケガをしないで頑張るだけですね」。人事を尽くして天命を待つ。その先で、大きな実を収穫できることを大山は今一番望んでいる。(文・間宮輝憲)

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