河本結、“不安6割”からの米ツアー挑戦 「私が成功したら、世界を見る後輩も増えると思う」

河本結、“不安6割”からの米ツアー挑戦 「私が成功したら、世界を見る後輩も増えると思う」

河本結が長い戦いを終え帰国 来季は米ツアーを主戦場にする(撮影:鈴木祥)

先週まで行われていた、米国女子ツアー来季出場権をかけた最終予選会(Qシリーズ)を9位で突破した河本結。この結果、来年のツアーメンバー入りが決まり、夢への第一歩を踏み出していく。現地時間11月2日まで8日間、計144ホールの長丁場を終え4日(月)の夕方に帰国。8日(金)からは日本で行われる唯一の米ツアー「TOTOジャパンクラシック」に出場という強行日程に挑む。


開幕前となる5日(火)にはプロアマ前夜祭に参加。華やかな雰囲気に包まれた会場で、河本は現在の心境を語った。帰国直後とあって時差ボケは「ありますね」と笑ったが、その表情は明るい。目標としてきた“世界”への挑戦権を手にしたのだから、それも当然だ。「日本のQTと違って雰囲気もノビノビしていて、すごく私に合っているなって思いました」。米国の風も肌になじんだようだ。

常に目標に『世界』を掲げてきた河本とあって、この結果を純粋によろこんでいるかと思ったがそうではない。「決まった瞬間は、もちろんうれしさはあったけれど不安が6割という感じでした。『本当に私のレベルでいけるのか?』って」。“夢”が“現実”に変わり、ここからは結果も求められる。それでも今は「腹はくくれました。ゴルフノートなどを見返して、小さい頃から自分が一番望んでいたのは『世界で通用する』ということだと改めて確認できたので。やるしかないですね」と迷いを断ち切った。

もちろん自身の目指す場所に到達するために海を渡るのだが、その先にはこんな思いも抱いている。

「今の自分の実力が米国で戦うレベルに達しているとは思っていないですし、まだ粗削り。全然レベルも違うと思う。そのなかで、どこまで戦えるかを試したい。周りの人も興味があると思うし、私が成功したら、後輩達のなかにも世界を見る選手が増えてくると思う。その見本になれたらいいなと思うし、『みんな見ててね』という感じです」

これまで、米ツアーに参戦する日本選手は、宮里美香や畑岡奈紗のように、キャリアの本格スタートを米国で切るか、逆に上田桃子や有村智恵のように日本でしっかり実績を積んでから挑む形だった。しかし河本はプロテストに合格した昨年の主戦場はステップ・アップ・ツアーで、今年からレギュラーツアーに本格参戦。それぞれ1年ずつというスパンで、“3歩目”が米国ツアーとなる。もう少し国内で戦ってからでも…という見方がでるかもしれないが、それは自身も承知のうえだ。

Qシリーズを戦ったなかで、課題も見えた。「芝も違うし、日本での打ち方では通用しないところもあった。そういう部分でレベルアップをはかっていきたいです」。だが第7ラウンドで、「ゴルフ人生でも何年ぶり」というダブルボギー、トリプルボギースタートのなかから一時イーブンまで戻したことは「自信になりました」。その自信を一つずつ積み重ねて、新たな道を切り開いていく。

現在は来季のスケジュール調整やビザの取得など「忙しい」日々を送る。「今年の初めに、世界ランク75位以内(現在64位)に入ったら挑戦しようと決めていました」という決意を実現のものにし、来年からは河本自身にも予測できていない生活が始まる。さらに河本といえば、日体大に通う現役女子大生ゴルファーでもあるが、学業についても大学側の協力のもと、レポートなどで単位を取得できるカリキュラムが組まれそう。「4年が目標だけど、仮に5、6年かかっても」卒業するつもりで、“二足のわらじ”生活は継続。さらに多忙を極めそうだ。

「日本ツアーは環境がすごくいい。スポンサーのみなさんもすごくよくしてくれるので、それに甘えてしまうかもしれない。向こうは何十倍もきついと思うけど、それが目標だったので。どんな生活が待ってるかも分からないし、今は何も言えないけど、私の実力でどこまでできるかを見せたい。温かく見守っていてください」

前夜祭の会場では、畑岡が「おめでとう!アメリカで一緒に頑張ろうね」と抱擁するシーンも見られた。これから新たなスタートラインに立つ21歳。本当の挑戦が、ここから始まっていく。(文・間宮輝憲)

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