日米ツアー勢に差はあるのか あるならどこ? コースセッティングにヒントあり

日米ツアー勢に差はあるのか あるならどこ? コースセッティングにヒントあり

技のバリエーションが必要とされるコースセッティングを(撮影:上山敬太)

<TOTOジャパンクラシック 2日目◇9日◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6659ヤード・パー72>

最終18番のパー5。極端な受けグリーンで奥から手前へのパッティングはガラスを滑り落ちるように下っていく。2日目のピンポジションは奥のカラーから5ヤード。540ヤードという距離を考えれば、2オンはほぼ不可能。2日目にレクシー・トンプソン(米国)がドライバー、3番ウッドのナイスショット2回で手前15メートルに乗せたが、それ以外の選手は当然3打目勝負になる。


2日目の渋野日向子はピンまで76ヤードの3打目をサンドウェッジで打ってピン手前15歩。ボールはピンの手前約5メートルに落ち、バックスピンがかかったボールは傾斜も重なり戻された。

この現象は渋野に限ったことではない。多くの選手が同じように手前からの長いパットを残した。受けグリーンの鉄則は手前から攻めることだが、長い距離のバーディパットが残るシーンが多かった。受けグリーンでピンが奥のとき、ピン手前のチャンスにつけるには、よほどのスピンコントロールを見せなければならない。

ウェッジで打てば、スピンがかかるのは当たり前。「今年はグリーンが軟らかい」と多くの選手が話していたとおり、なおさら戻ってしまう。このコントロールが米ツアーの選手はうまい。「グリーン周りがうまい」とは河本結。「パッティングがうまい」というのが小祝さくらの米ツアー勢の印象。それだけでなく、100ヤード以内のウェッジショットのスピンコントロールも海外勢のうまさのひとつだ。

体格差は埋まらない。飛距離では勝てない、というのは一部の選手に限られること。実際に米ツアーの選手を見ていると、飛距離ではなく技のバリエーションが多い。渋野と同組で回ったウ・リュ(中国)は、3打目をピンデッドに攻め、ピンを過ぎて着弾するも、1メートル戻してピン上1メートルにピタリとつけた。ピン位置やコースコンディションによって、技を使い分ける。それはコースのセッティングにも関係している。

2日目のピン位置を見ると、ピンは左右、手前、奥と、実にバリエーションに富んでいる。4つあるパー5を見ると、3ホールが奥ピン。1番は奥から5ヤード。6番は奥から4ヤード。そして18番は奥から5ヤード。突っ込む勇気と、スピンコントロールが必要とされる絶妙な位置にカップは切ってあった。

ほかのホールを見ても、横のカラーから3ヤードというホールが2ホール。これが毎日続くのだから、攻め方の種類が増えるのは当然。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)によると、端から3ヤードというピン位置は、「一つの大会の中で、あっても1回」とのこと。ステップ・アップ・ツアーの選手がレギュラーツアーに上がるとピン位置に苦しむというのはよく耳にするが、日米両ツアーのあいだでも、同じような差があるのではないか。

コースの形状、地面のスピード、プレー時間の問題などツアー、国によって状況が違うとはいえ、シビアな環境でプレーを重ねれば自ずと求められる技は変わる。外国勢はパワーがあるから、といった単純な問題では片付けられない課題があることも忘れてはならない。近年は日本ツアーのコースセットアップも変わってきている。選手の技術力が上がっているのは、間違いない。次は、対応力が上がってくれば、第2の渋野がいつ生まれてもおかしくない。(文・高桑均)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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