鈴木愛、3人目の2週連続完全V 2度目賞金女王へ「確率30%」、米ツアー参戦は「20%」

鈴木愛がトータル17アンダーで完全優勝 イ・ボミ、申ジエに続いて3人目の大記録に

記事まとめ

  • 鈴木愛がTOTOジャパンクラシックで、トータル17アンダーとし完全優勝を達成した
  • 先週の「樋口久子 三菱電機レディス」に続き、2週続けて首位の座を明け渡さずに連勝
  • 2015年のイ・ボミ(韓国)、昨年の申ジエに続いて3人目の大記録を打ち立てた

鈴木愛、3人目の2週連続完全V 2度目賞金女王へ「確率30%」、米ツアー参戦は「20%」

鈴木愛、3人目の2週連続完全V 2度目賞金女王へ「確率30%」、米ツアー参戦は「20%」

18番グリーンで大ギャラリーの歓声を浴びた鈴木愛(撮影:鈴木祥)

<TOTOジャパンクラシック 最終日◇10日◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6659ヤード・パー72>

満開の笑顔が米ツアーの18番グリーンで花開いた。日本開催の米ツアーで初日から首位タイスタート。2日目も7つ伸ばし、2位に3打の差をつけ単独首位で最終日を迎えた鈴木愛。勝負の1日はボギーなしの5バーディを奪取。3日間ビッグスコアを並べ、トータル17アンダーで完全優勝達成。先週の「樋口久子 三菱電機レディス」に続き、2週続けて首位の座を明け渡すことなく連勝。2015年のイ・ボミ(韓国)、昨年の申ジエに続いて3人目の大記録を打ち立てた。


9月後半からは、左手首痛のためツアーから4週間離れ、自分を見つめ直した。「これだけ練習しているのに、うまくいかない」と嘆き続けた1年。「この1、2週間はいいけど、トータルで見れば全然ダメ」という今季は、上ばかりを見て結果が出ない自分にふてくされることもあった。それが、まさにケガの功名。4週間の期間が意外にもリフレッシュ期間となり、復帰直後の予選落ちから連勝。「練習できていないから仕方ない」と思えるようになったことが、偉業へとつながった。

そんな心境だったからこそ、スタート時にも緊張はなかった。「昨日の夜はドキドキしましたが、意外とコースに入ると落ち着いていて、今まででいちばん冷静にできました」と、プレッシャーなどどこ吹く風。前半だけで3連続を含む4バーディ。後半に入ると停滞したが、最終ホールで「3打差あるなと思った。後半はバーディが獲れていなかったので、打数に関係なく、獲りたかった」と、上からの1メートルをきっちり沈めてバーディ締め。一度もトップを譲ることなく、米ツアー初優勝を決めた。

ケガのせいもあり、先週から無理な攻めは封印。リキみのないスイングから放たれるショットは安定感抜群だった。「先週からピンチらしいピンチもなくて、ショートパットさえ外さなければボギーは出ないと思っていた」。3日間通してボギーは初日の11番のみ。18バーディを積み重ねる姿は、2017年の賞金女王にふさわしく、米ツアー勢をしのぐ完ぺきな内容だった。

これで来季の米ツアー出場資格を獲得。ツアーメンバーとなるには18日(月)の午後5時(米国東海岸時間)までに米ツアー側に申し出をする必要があるが、当然迷いはある。「夢だったので、行きたいという気持ちはありますが、英語もしゃべれないし、移動も大変だし、行きたい思いだけだと70(%)くらいですが、今の段階では(ぜんぶの要素を含めると)20(%)あるかなというくらい」。期限までの1週間は頭を悩ます期間となりそうだ。

今回の優勝で賞金ランキングも渋野日向子を抜いて2位に浮上。1位のジエとは約685万円差(今大会の賞金は1ドル=110円で計算、正式には11日のレートで決定)。「1000万円以内に差が詰まった。先週終わった時点では、残り試合でもう1回勝てたら最高という感じでした。でもこれで、残り3試合で女王のチャンスができたと思う。先週終わった段階で5%、これで30%くらいかな」と、2度目の女王戴冠の可能性も高まった。

さらに、今回の優勝で世界ランキングも現在の24位から19位前後に浮上する見込み。来年の東京五輪や、海外女子メジャー出場のためにも大きな1勝。「今シーズン20位以内で世界ランキングを終わりたいと思っていた」と、目標には確実に近づいている。「皆さんが判断してください(笑)」と、大人になったかどうかの質問にも大人の受け答え。肩ひじ張らず穏やかに、無欲に気楽に、でも強く。今回作り上げた新たな“鈴木愛像”なら、世界でも十分に通用すると感じさせる勝ちっぷりだった。

「日本を超えて世界での1勝。今までの15勝? その中でもスゴく大きな意味を持つ1勝。本当に夢みたい。今まででいちばんか2番目に印象に残る試合になりました」と照れ笑いを見せ喜びを表現した鈴木。世界への扉、五輪への扉、2度目の賞金女王への扉、今後の転機になりそうなどでかい1勝。ギャラリーの大歓声にこたえるように、何度も右手を天に突き上げ、日本勢のトップを誇示するような愛ちゃんの、見事な歴史的勝利だった。(文・高桑均)


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