松山英樹の安定感は相手にとって「めちゃくちゃやりにくい」【丸山茂樹のプレジデンツカップ 】

松山英樹の安定感は相手にとって「めちゃくちゃやりにくい」【丸山茂樹のプレジデンツカップ 】

6年前に初出場を決めた松山英樹と当時の副キャプテン・丸山茂樹(撮影:GettyImages)

2年に1度行われるビックイベント「プレジデンツカップ」。米国選抜と世界選抜がぶつかり合う同大会は、世界ランキングやツアー成績をもとにした独自のランキングと、キャプテン推薦によりメンバーが選出される。今年はタイガー・ウッズ(米国)とアーニー・エルス(南アフリカ)をキャプテンに各国のトッププロがロイヤル・メルボルンGCに集結する。


対抗戦は4日間の長丁場で行われ、初日にフォアサム、2日目にフォアボール。3日目はフォアサムとフォアボール、そして最終日にシングルス戦を12マッチが行われ、各マッチの合計ポイントで競われる。松山英樹もメンバー入りしている世界選抜が勝利を挙げたのは、過去12回で1回のみ。それがロイヤル・メルボルンGCで行われた1998年大会だ。当時世界選抜メンバーとして参戦し、MVPを受賞した丸山茂樹が、大会の見どころやチームの裏話を語る。

■“オレとクレイグ・パーリー? こんなちっちゃい者どうしで行くの?”
「ダブルスの組み合わせや順番は、キャップとノーマンが結構決めていたね。プライス、エルキントン、ノーマンと、だいたい同い年くらいの選手たちと、キャプテンのピーター・トムソンが話し合いで決めていた。ダブルスは、『おまえタイガーと行け』ってノーマンに言われて。“マジか、オレとクレイグ・パリー? こんな小さいのどうしで行くの?”みたいな(笑)。

それが当て馬だろうが、とてつもないことをしたことが、僕らが評価された部分でもある。最後の最後でやっつけた。自分は試されたり、捨て駒だったのかもしれないけど、それが僕の任務だと思ったから。自分のことを過大評価したわけでなく、点数をとるために出ていて、自分たちが負けても他が勝てばいいと思っていた。だから、組み合わせについて何も思ったことはない」

■見どころのひとつ、ダブルス戦の戦略は?
「自分が得意だなと思う奇数、偶数とわかれている。得意なホールを選択して、僕なんかは、どちらかというとドライバー以降が得意。だとしたら、先輩がなるべくパー5を多く打てるようにチョイスしたり。

(尾崎)直道さんともそういう話をして、自分の中でこうしたほうがいいと意見したり、『おまえがそう思うならそれでいこうよ』と、お互いの話し合いでうまくやれた。“あそこのホールはどうしてもいやなので、そこは外したいな”とか、“あのホールが奇数なら、直道さん、いってもらえませんか”と言ったり。あとは何をどうこうではなく、自分自身の問題。

そのショットの場にいったら、フォアボール、フォアサムで違う。ショットに行ったら、とにかく集中して、不安要素があるなら、とりあえず乗せてパリーが2パットでいける位置に置いておこうとか。ここはロックオンできているから、ちょっとだけピンを狙ってみようかなとか。

相手のプレースタイルにもよる。相手がショットでトラブルになったら、確実に攻めていく。相手が攻撃的に行くなら自分も行かないと負けちゃう。相手の動きをよく見てやることが大事。

ドライバーについては、ダブルスで僕らよりも飛ぶ選手と回っているから、けっこう後ろから回っているのもあった。攻められるところはぜんぶ攻めて、逃げられるところは全部逃げて。

逆に向こうのほうが打ちづらそうだと思ったら、とにかくグリーンの真ん中に置いたりと。そのへんの作戦は、もともとマッチプレーが得意だったから、流れとかを見て自分の中の直感を大事にしてやっていた」

■ダブルス戦のプレッシャーは、個人戦の1.5倍
「ダブルスは好きなフォーマットのひとつで、チーム戦で戦っているという感じがある。特にフォアサムは難しいけど、僕はこのやりかたを年に1回くらいやるのは、すごく楽しい。

フォアボールはあまり感じないけど、シングルスにはない難しさを、フォアサムは特に感じる。とにかくここにしか打たないと、違う意味で自分だけの責任じゃないから、違うところでフォーカスが合ったりする。でもそれが面白い。それでマッチしたときがめちゃくちゃ楽しい。

逆に、全くはまらない人たちを見ているとかわいそうだなと思いますね(笑)。なにやってもうまくいかないなと。

そんなに毎回、きれいにハーモニーがうまくいくわけじゃないから、失敗を教訓にして頑張る。そこをうまく自分のなかでも考えてやれたらと思う。個人のプレッシャーの1.5倍くらいかかりますね」

■一番のハーモニーが生まれたのは、98年のロイヤル・メルボルン
「一番ダブルスをやっていてかみ合ったと思うのは、優勝した2002年のワールドカップ。でも、ゴルフの一番のハーモニーは尾崎直道さんと組んだとき。すごかった。誰にも負けないんじゃないかと思った。ロイヤル・メルボルンの風の強い中で、毎日2人で8アンダーくらいで回っていて、全然相手に近寄らせなかった。

僕もパターが入るし、直道さんのショットはいいし。あのときの2人の強さはマッチしていた。個々のパフォーマンスがすごくいいバイオリズムにあった。

大先輩で、当然ものすごく仲がいいというわけではない。でも、なんとなくそのときの直道さんの状態と、僕の状態がすごく高いところにあって、素晴らしい大会で自分のゴルフの好不調が最高潮にいて、毎日65、66で回れるゴルフができた」

■まるで檻の中の虎 タイガーの強さは?
「ただ、パリーと組んでタイガーと当たったときは、さすがに変な緊張感があった。タイガーの圧力ってすごい。檻の向こうにいる虎にわっとやられたら、怖いと思う感じ。いるだけで、グリーンのどこかに乗っているだけで、入ってくるんじゃないかとか、そういう事を感じさせるのが彼の強さ。

競ったときにダメになるのは、タイガーになにかやられる、追いつかれると思っちゃうから、逃げなきゃとなってしまう。米ツアーの選手ですごいと思うのは、自分が本当に調子がよければ、タイガーだろうがなんだろうが関係ないといっている選手がいること。

自分の想定外のことをするのがタイガー・ウッズ。そのときのウッズは完全に強さが宙に浮いていた。今のすごいと思う100倍くらい上にいたから。誰のパンチもあたらないボクシングの試合みたいな、そのくらいすごかった。一緒に回ったときの圧力はとてつもない圧力を感じました」

■松山も参戦、世界選抜は米国選抜を敗れるか?
「今の米ツアーの選手に勝つのは、そうとう大変だと思う。ただ、ダスティン・ジョンソンもケガをして絶好調ではなくて、隙もないわけじゃない。勝たなきゃいけないチームと、絶対にやっつけたいチームという違いはある。

勝ってあたりまえといわれるチームが、そこを守っていかなきゃいけない。いざ始まると目の色が変わる。そういう意味では、アメリカのほうがプレッシャーは大きいと思う。世界選抜はいい選手が多いし、いい作戦を持っていったら僕はいけるんじゃないかと思う。

英樹みたいに安定感があるプレーヤーは、めちゃくちゃマッチプレーの相手としてはやりづらい。ミスが少ないでしょう。大きなミスが少ないから、当たるとすごくやりづらいだろうし、そういう意味では面白い戦いをしてくれるんじゃないかと思います」

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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