爪を犠牲にしてまで!? 青木瀬令奈が選んだのは“清々しい”ショット【女子プロが選ぶ“今年の一打”】

爪を犠牲にしてまで!? 青木瀬令奈が選んだのは“清々しい”ショット【女子プロが選ぶ“今年の一打”】

“自分らしくない”イーグルが今年の一番(撮影:鈴木祥)

多くのドラマが生まれた2019年シーズンに活躍した選手たちに、一番“印象”に残っている1打を挙げてもらった。良かったものを挙げる選手、悪かったものを挙げる選手。性格やその年の活躍が如実に出るこの企画。今回は、5年連続となる賞金シードを獲得した青木瀬令奈。


ツアー2勝目を目指して挑んだ19年シーズンだったが、序盤から苦戦。前半戦を終えトップ10なしと、シードへ危機的状況だった。しかし7月の「サマンサタバサ レディース」で9位タイに入ると、翌週の「センチュリー21レディス」で優勝争いのすえに2位タイ。さらに公式戦「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」でも4位タイに入って、しっかりと50位以内に入った。

とはいえ、終盤に3週連続で予選落ちを喫するなど、全体を通して本調子でなかったことは間違いない。そんな青木が選んだのは、40位タイに終わった「パナソニックオープンレディース」の最終日最終ホール18番の2打目だった。

18番は498ヤードのパー5。3日間を通じて難易度が低く、一番やさしいバーディホールだが、左に池が絡むチャレンジングな造りとなっている。ティショットはフェアウェイに置き、残りは219ヤード。いつもはイケイケのキャディ兼コーチの大西翔太氏も、「(池のない)右から攻めよう」と言っている。だが、当の本人はアグレッシブに行くことだけを考えていた。「私は右を向いてつかまえにいきました。フェースをかぶせて“いけーっ!”て(笑)」。気合いを入れた1打は見事2オンに成功、イーグルという最高の形で大会を締めた。

「私は飛距離が出るほうじゃないので、すごくうれしかったのを覚えています。そもそも2オンのチャンスがすごく少ないですからね」と挙げた理由を話す青木。「セカンドが入るイーグルはこれまで何度もありますが、パー5で2オンしてイーグル。しかも簡単な距離ではないイーグルは清々しかった(笑)」と今思い出しても笑みがこぼれる。

「その週のプロアマで、別のホールでしたけど同じようなパー5の池越えの2打目でたまたまつかまった球がグリーンに乗って。たぶん230ヤードくらいあったと思います。それを思い出して、“あの球が出たら届くじゃん!”って。少し自信になりましたね」。清々しい一打の裏にはこんな伏線があった。

だが、犠牲もあったらしい。「打ったときに爪がパカーって折れちゃって。それだけ気合が入っていたのかな。爪を犠牲にして打った、いうことにしておきましょう(笑)」。オチも完璧なショットだった。

<ゴルフ情報ALBA.Net>