13本をウェッジのように打てる“超理想” 史上初の偉業の裏にボールと近いアドレスあり!【辻にぃスイング見聞】

13本をウェッジのように打てる“超理想” 史上初の偉業の裏にボールと近いアドレスあり!【辻にぃスイング見聞】

ツアー史上初の平均ストローク60台をマークした申ジエ(撮影:鈴木祥)

賞金ランキングトップ10入りした選手のスイングから強さの要因、そしてアマチュアが参考にすべき部分を探る“Playback LPGATour2019”。第2回はツアー史上初となる平均ストローク60台を達成した申ジエ(韓国)。安定感抜群で大崩れのないスイングを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。


史上初の偉業に加えてパーオン率9位、フェアウェイキープ率3位、トータルドライビング5位、ボールストライキング4位とショットに関するスタッツも軒並みトップ10入り。安定感は数字に如実に表れた。

そんなジエのスイングを辻村氏は「13本のクラブをウェッジのように打てる。プロゴルファーならみんなが目指している技術の一つ。まさに“超理想”です」と話す。その理由はアドレスにあるという。

「長いクラブでも短いクラブでも、ツアーで一番というくらいボールの近くでアドレスできる。近くに立つことで腕の動く範囲が限られてクラブの通り道が一つになる。バックスイングからクラブを立ててあげて、ダウンスイングではリストと腕を柔らかく使いながら縦に振り下ろしている。究極のオンプレーンスイングです。そしてジエさんの間合いだとヒザが前に出たりとか右肩が出たりもできません。そういうムダが一切ない」。

近くに立つだけで再現性が上がる、といってもなかなか難しいもの。腕の動く範囲が限られるということは気持ち悪さや違和感が生まれることでもある。

「まず、力みがあったら近くに立てません。力が入って肩が上がってしまえばちゃんとクラブをセットアップできませんから。あとは窮屈だからといって、カカト重心にならないように気をつけてください。近くに立っても重心は足裏のセンターと指の間くらいが理想です」。

そしてクラブは常にヘソの前、つまり体の正面にクラブヘッドがある状態でなければならない。「近くに立つと、腕の行き場のあるアウトに上げすぎてしまいやすい。あくまでクラブは体の正面が基本。そこにも十分気をつけてください」。腕があちらこちらに暴れてしまうアマチュアは接近アドレスを試してみては。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。著書には『ゴルフ トッププロが信頼する! カリスマコーチが教える本当に強くなる基本』(河出書房新社)がある。

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