彗星のごとく現れた生粋のドローヒッター ペ・ソンウが描く理想の“インサイドイン”【辻にぃスイング見聞】

彗星のごとく現れた生粋のドローヒッター ペ・ソンウが描く理想の“インサイドイン”【辻にぃスイング見聞】

ツアー初参戦ながら2勝を挙げたペ・ソンウ(撮影:鈴木祥)

賞金ランキングトップ10入りした選手のスイングから強さの要因、そしてアマチュアが参考にすべき部分を探る“Playback LPGATour2019”。第5回は日本ツアー参戦初年度からメジャーを含む2勝を挙げて賞金ランキング4位に入ったペ・ソンウ(韓国)。かつて韓国ツアーで賞金ランキング2位に入ったこともある実力者のスイングを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。


今季から日本ツアーに参戦。それは不退転の覚悟を意味していた。今年優勝、もしくはシードを獲得できなければ正会員の資格を得ることができず来年の出場権は失われる。そんなプレッシャーのなかでも実力者は存分に持ち味を発揮した。出場2戦目の「ヨコハマタイヤPRGRレディス」で6位タイに入るなど前半戦で早々にシードを確定。さらに渋野日向子凱旋に沸く8月の「北海道 meijiカップ」で初優勝を挙げると、最終戦のメジャー「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で2勝目をマーク。その実績に違わぬ結果を残して見せた。

ティショットのうまさを示すトータルドライビング、そして全体的なショットのうまさを示すボールストライキングでともに2位。イ・ミニョン(韓国)に続くショット力の高さを見せつけた。そんなソンウのスイングを辻村氏は「ミニョンさんはフェードヒッターですが、ソンウさんは安定型のドローヒッター。まさに理想のインサイドインです。ドローのアマチュアの方はぜひ参考にしてほしい」と評する。

「まず、しっかりと球がつかまえられるテークバックができています。韓国の選手は基本的に両ヒザをあまりアドレスしたところから変えないような感覚で上体をねじりますが、ソンウ選手の場合は左腰とか左足を内側に入れて、しっかり捻転できています。だから、インサイドに引いているといってもクラブは必ず体の正面にある。決して手でインに引いているわけではありません。それが大きい懐をつくっています」(辻村氏)

そしてダウンスイングからが真骨頂だ。「体の近くからヘッドを出してこられる。そして、腕が伸び切る前にボールにヒットしてくる。その後、ホールを捉えた後に腕が伸びていくという理想の形ができている。つまりは、手元が体の近くから一気に腕を伸ばしていくため、しっかりとボールを押せているということ」。力強いショットを生み出す動きがここにある。

その際の体の動きにも注目したい。「腕が体の近くを通っているときに、体が一切開いていないのが大きなポイントです。テークバックを上げた時に右ヒザよりも左ヒザが前に出ますが、球際まで左ヒザより右ヒザが前に出てこない。捉える瞬間からバチンと入れ替えがある感じです。アマチュアの方で多いのが、せっかくヘッドが内から低く入ってきているのに右サイドが前に出てしまって、体が開いて左足に体重が乗っていないケース。これではボールにエネルギーが伝えられません。クラブの軌道を見るときは、体の動きも気にしてみてください」

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。著書には『ゴルフ トッププロが信頼する! カリスマコーチが教える本当に強くなる基本』(河出書房新社)がある。

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