ナンバー1飛ばし屋が選んだのは「今も夢に出てくるパット」 “つまらないパー”で優勝争いから脱落【女子プロが選ぶ“今年の一打”】

ナンバー1飛ばし屋が選んだのは「今も夢に出てくるパット」 “つまらないパー”で優勝争いから脱落【女子プロが選ぶ“今年の一打”】

飛ばし屋・穴井詩(右)が選んだのはサントリーでの悔しいパットだった(撮影:上山敬太)

多くのドラマが生まれた2019年シーズンに活躍した選手たちに、一番“印象”に残っている1打を挙げてもらった。良かったものを挙げる選手、悪かったものを挙げる選手、性格やその年の活躍が如実に出るこの企画。今回は、今季2シーズンぶりのツアー3勝目を手にするなどキャリアハイの成績を残した穴井詩。


8月の「NEC軽井沢72ゴルフ」で、渋野日向子らとの争いを制して久々の優勝を手にした穴井。この他の試合でも、安定感抜群のプレーを続け、8697万8534円の賞金を稼ぎだした。これはツアー生活のなかで最高額。賞金ランク7位にくい込むなど、大きな一年になった。

ツアーを代表する飛ばし屋というのは、広く知れ渡ったところ。今季もドライビングディスタンス「260.67ヤード」で1位に輝くなどと、そのドライバーでギャラリーを沸かせた。そんな飛ばし女王だけに今年印象に残った一打も豪快なショットを挙げるのかと思って話を聞くと、口から出てきたのは「パット」という言葉だった。

場面は6月の「宮里藍 サントリーレディス」。荒天のため第3ラウンドが順延となり、最終日にその残りと最終ラウンドが行われた大会だ。そして穴井が思い出すのは、最終ラウンドの17番だった。トップと2打差の3位タイでラスト18ホールを迎えた穴井は、一時首位の座に立つなど優勝へ向け好ラウンドを続けた。しかし後半に入ると、パタリとバーディが来ない展開となり伸ばしあぐねた。

そんななか521ヤードの17番パー5を迎えると、ここで自慢の飛距離を生かし、セカンドショットをカラーまで運んだ。カップまでの距離は20m。きっちり寄せて最低でもバーディを奪えば、まだ何があるかは分からない状況だ。しかし、そのファーストパットは「ラインも悪かったけど、しっかりと打ち切れませんでした。緩んでしまって、3分の1も残ってしまった」と6m以上を残した。

「どうしていい位置で争ってる時に、そこ(カラー)まで持っていって3パットしてしまうのか。しかもオーバーじゃなくショートしたのも悔しかったですね」。結局ここを「ただのパー」にしてしまい、優勝した鈴木愛に2打及ばずの3位タイに終わった。「今も夢に出てくるパットですね」。まさしく印象に残る一打になってしまった。

これを教訓に、その後は「打ち切ろうと意識してますね。特にグリーン際まで持っていったときに、こういう“つまらないパー”はやめようと」と心に決めてアドレスに入っている。そしてそこから2カ月後に優勝。ここでの悔しさを歓喜につなげることができた。

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