メジャーでのツアー初優勝に歓喜の涙 勝因問われ「笑顔です」…“スマイル伝説”が本格化!【プレーバック・渋野日向子2019 5月編】

メジャーでのツアー初優勝に歓喜の涙 勝因問われ「笑顔です」…“スマイル伝説”が本格化!【プレーバック・渋野日向子2019 5月編】

メジャーで初優勝を挙げた渋野日向子 ここから「笑顔」がトレードマークとなった(撮影:鈴木祥)

5月は渋野日向子にとって、1つ目の金字塔を打ち立てた月になった。そして、これはその後のさらなる活躍を予感させるものだった。


「KKT杯バンテリンレディス」での最下位からの予選通過、さらに「フジサンケイレディス」2位タイと、4月はその勢いを加速する時間になった。そして月が変わり最初に出場したのが新規大会の「パナソニックオープンレディース」だ。

1年前にはステップ・アップ・ツアーに組み込まれていた大会。会場こそ違うが、当時、渋野はステップを戦う選手の一人として、この大会に出場していた。そんな大会で初日に「68」をマークし、6位タイと好発進。しかし2日目は「71」と大きく伸ばせず、21位タイまで順位を落とした。最終日は2つ伸ばして、終わってみればまずまずの成績といえる13位タイ。そして、この流れで迎えた大会が、今季最初のメジャー大会「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」だった。

プロ転向後初めてとなるメジャーに臨んだ渋野は、初日が11位タイと上々の滑り出し。すると2日目に1イーグル・2バーディに加えノーボギーと、圧巻のラウンドで2位タイに浮上した。「こんなスコアが出るとは思わなかった。予選を通ればいいと思っていたのでビックリ」と驚きの声を挙げたが、快進撃は終わらない。

続く3日目もノーボギーで、さらに奪ったバーディは6つ。このラウンドを終えペ・ソンウ(韓国)と並ぶトップに立った。最終18番では、5mのパーパットを残すピンチを迎えたが、これをねじ込み気合のパーセーブ。渋野が「イーグルを獲ったみたいでしたね」と振り返ったように、地響きのような歓声がコースに響き渡った。新進気鋭の20歳が、そのプレーで茨城のコースを自らのホームに変えた。

スタート時に、3位とは4打差。ソンウとの“二人旅”の様相を呈した最終日はスタートからボギーをたたくも、その後、渋野の代名詞にもなったバウンスバックを2番で決めるなど、韓国の実力者とせめぎ合いを続けた。そして11番からパーで耐え抜いた渋野に対し、ソンウは16番でダブルボギー。最終的に1打差のトータル12アンダーで逃げ切り、ツアー初優勝をメジャー大会で挙げる快挙を成し遂げた。

ラウンド後には歓喜の涙。さらに河本結ら仲間から水をかけられる手荒い祝福をうけるなど、幸せな時間が過ぎていった。20歳178日での優勝は大会史上最年少V。さらに令和初の優勝者、成田美寿々が制した14年大会以降続いていた外国勢の連勝を止めての勝利など、話題てんこ盛りの優勝だった。この状況を聞いた渋野の口から出たのが、のちにメディアが選ぶ2019年のベストコメント賞に選ばれた「私でよかったんでしょうか?(笑)」だった。

2位タイまで順位を上げた2日目のラウンド後、会見場に呼ばれた渋野は、「うわっ…すごい緊張しますね」とまだ慣れない記者会見に戸惑いを見せていた。しかし日が進むにつれ堂々とした受け答えに変わり、そして今となんら変わらない飾らないコメントを残していたのが今も印象に残っている。報道陣の前で“ソフトボール愛”が語られたのも、この大会だった。

そして優勝を決め最後に勝因を聞かれた時、渋野は「笑顔です」と答えた。これは“あの大偉業”が成し遂げられる3カ月ほど前のこと。ここからスマイル伝説が本格化することになる。

【5月の成績】
■パナソニックオープンレディース
13位タイ
■ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ
優勝
■中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン
36位タイ

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