渋野日向子が目指す進化と問われる真価 五輪金メダルへ、2020年が幕開け

渋野日向子が目指す進化と問われる真価 五輪金メダルへ、2020年が幕開け

新年のご挨拶 今年もこの笑顔がコースで花開く!(撮影:村上航)

年末、テレビで渋野日向子を見ない日はなかった。シーズンを終えてもなお多忙を極めた渋野は、どんな2020年を迎えたのか。レギュラーツアー本格参戦1年目は激動の1年。ツアー初優勝をメジャー大会で果たすと、海外でもその勢いは止まらず。全英制覇後は、一躍国民的ヒロインへと駆け上がった。


渋野の行くところには人、人、人。ツアー会場では渋野の追っかけがあふれ、プライベートでは気軽に街中を歩けないほどの事態になった。明るいキャラクターにトレードマークの笑顔が老若男女を魅了した。19年ほどゴルフが大きく取り上げられた1年はなかったといってもいいほど、渋野効果は計り知れないものだった。

そんな人気は落ち着くどころか、20年も加速するとみられる。8月には待ちに待った自国開催の東京五輪が開かれる。「東京五輪で金メダル獲得」を公言する渋野。メダルへの険しい道はすでに始まっている。

自身も驚きの1年となった19年を表す漢字一文字は『謎』だった。無我夢中に駆け抜けた1年は年末のLPGAアワードで4冠という結果をもたらした。年間のツアー最優秀選手賞も受賞し、ますますの期待がかかる21歳の渋野。新たな年は何を掲げて臨んでいるのか。

「来年の一文字は進化の“進”です」

海外メジャー1勝を果たした渋野にとって、それ以上先にあるのは何か。多くのプロゴルファーにとっては海外メジャー制覇が究極の目標だけに、それ以降の目標を見失ってしまうことも多い。ただ渋野の場合は、それを1年目に果たした。単純にそれより上の成績を目指すことは進化になるのだろうか。

渋野が師事する青木翔コーチが年末に言った一つの言葉が印象的だ。「彼女は飛び級をしてしまった。スキップしてしまったところをもう一回やる」。結果だけを見れば最高のシーズンだったが、まだまだ技術不足、経験不足は否めない。だからこそ、飛び越えてしまった箇所にもう一度戻り、基礎を徹底的に行う必要がある。

そんな境遇であることを渋野自身もよく理解している。

「一からやり直していかないといけない。(19年のことを)思い出す機会はあると思うけど、切り替えます。1年目にこんなに成績が出るとは思っていなかった。20年も自分に期待しないで、自分を裏切ることができるように頑張りたい。初心、感謝の気持ちを絶対に忘れない」

人気沸騰、ゴルフ界のみならずスポーツ界でも一目置かれる立場になった。スポーツの枠を越えて、ワイドショーにもバラエティ番組にも出演オファーが殺到した。そんななかでも、“勘違い”することなく素直に成長の必要性を感じ、「自分で分からないところを助けてもらいたい」と、コーチや周囲の協力なくして、進化はないと痛感している。

メジャー制覇という頂上まで登った19年。一度標高を下げて、真価を高め、そこからまた頂上を目指すのも進化。東京五輪出場、そして金メダル獲得という次なる目標に向かうため、渋野が立ち止まることはない。(文・高桑均)

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