【初シード選手の素顔:中西直人】自信喪失からの家族会議 幾度のイップスから“誰よりも楽しめる”ゴルファーへ

【初シード選手の素顔:中西直人】自信喪失からの家族会議 幾度のイップスから“誰よりも楽しめる”ゴルファーへ

初のシード選手として2020年に挑む中西直人(撮影:鈴木祥)

いよいよ今週の「SMBCシンガポールオープン」で、新シーズン開幕を迎える男子ツアー。今年を彩る新たな精鋭たちはどのようなプレーヤーなのか。初の賞金シードを獲得した注目選手の素顔を紹介していく。今回は中西直人。2010年にプロ転向し、18年はAbemaTVツアーが主戦場。翌年はQT17位の資格でレギュラーツアーに参戦し、賞金ランク64位で自身初シードを獲得した。


■一番の強みは? “イップスだらけ”から、誰よりも楽しめるゴルファーへ

「一番の強みは、プレーを楽しめること。目の前の一打とかを楽しんでいない選手はいないと思うけど、人よりも楽しむのが得意だと思います。自分なりに100%準備ができているので、できているからこそ楽しめる。良い悪い関係なく、自分らしく、と。

意識して楽しめるようになったわけではなく、プロ入り9、10年目になるのかな。今までたくさん良いショットも打ってきたけど、プレッシャーが勝つというか、過去に3回ドライバーがイップスになったり、アプローチ以外もイップスになって、それが1年に1回試合で必ず出る大乱調の時もあった。去年チャレンジツアーで1年間やってみて、テレビにも取り上げて頂いたりしていたけど、カメラがついていることでプレッシャーがかかっていた。やっぱり、見られている感じがすごいんです。自分がテレビの向こう側でどういう風に映っているか気になったりして、それがミスショットにつながれば、『プロってそんなもんか』、『ヘタクソか』って、自分に自信が持てていなかった。

そこで、ある日どうしたら良いのかと家族会議をしたんです。そしたら妻が、『一打に覚悟を決めてやれていないんじゃない?』と。一打を楽しめるようにしっかり準備をしたら、楽しめるようになったんじゃない?と言われて、本当に楽しめるようになったのは去年のことでした。1年間通して、去年がベストシーズン。そのチャレンジの経験が生きて、2019年はレギュラーツアーで1年やらして頂いて、去年のベストシーズンをさらに更新できた(笑)。それだけ、本当に準備も自分なりに一生懸命してきたし、後悔のあるショットは去年からほぼ無いんです」

■スイングで気をつけているのは、シンプルに2つだけ

「スイングって、単純ですごく奥が深い。気にすることはたくさんありますが、僕は大きく2つだけ、正しいアドレスとスイングプレーンです。

アドレスって、球筋をイメージするにあたって一番大事なもの。本当はスライスを打つアドレスだけど、フックを狙っていたりという体の錯覚がミスにつながる。しっかり頭で考えていることと球筋を一致させるのに、正しいアドレスは絶対に必要。ポイントは、上体に合わせず、お尻で前傾することですね。首だけが前傾しがちなので、首が前に出ないようにお尻から前に倒すんです。

プレーンは、テークバックでシンプルに上がったところで、テークバックとダウンスイングした軌道とフォロースルーが、真後ろから見てまっすぐになっていることが大切です。その2つさえしっかりしていれば、間張ることはないと思ってやっています」