“友人を助けたい”思いから始まった支援活動 宮里美香が医療従事者へ届ける「感謝」のお弁当【プロは今何してる?】

“友人を助けたい”思いから始まった支援活動 宮里美香が医療従事者へ届ける「感謝」のお弁当【プロは今何してる?】

宮里美香(左から2番目)は今、医療従事者支援に取り組んでいる(写真:本人提供)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内ツアーは男女ともにいまだ開幕の見通しが立っていない。そんななか、プレーする場を失っている選手たちも、様々な思いを抱えながら今を過ごしている。今回は、このウイルス禍の最前線で戦う医療従事者に対し“食の支援”に乗り出した選手に電話で話を聞いた。


長年、米国女子ツアーで活躍し、昨年から日本ツアーに本格参戦を果たした宮里美香は今、生まれ故郷の沖縄でツアー開幕を待っている。「日本女子オープン」2勝、日米通算3勝を誇る実力者だが、「いつ始まるのか分からない状態で、気持ちを上げるのが難しいですね。今は(開幕の)メドが立ってから思いっきり練習すればいいかなと思っています」と、やはり戸惑いも隠せない。現在ラウンドを行うのは週1〜2回ほどで、自宅でのトレーニングも行っているが、「こんなに家にいるのは高校生以来(笑)。今は体調も気をつけないと」とゆったりとした時間も過ごせている。

その宮里は、今月14日から地元の沖縄赤十字病院で働く人々にお弁当を届ける『みかんプロジェクト』という支援活動をスタートさせた。元々は、新型コロナウイルス感染拡大にともなう自粛生活で、友人が経営する飲食店も大きな打撃を受けているという状況を知り、「何かサポートできることはないか?」と思い立ったのがきっかけ。その話のなかで医療従事者の話題もあがり、「食べ物はどうしているんだろう?」という疑問が頭をよぎった。

すると、すぐに現場に立つ看護師の話を聞く機会が設けられたのだが、ここで「思っていた通り」家に帰れていないことや、食事も簡単なものですませているなどの現実を知った。これが飲食店と医療従事者が“つながった”瞬間。「お弁当を病院に届けたい」という思いが生まれることになる。4月末に思い立つと、友人の飲食店経営者、さらにその知り合いの計3社とともに5月に入り始動。必要となる手続きなどをクリアし、わずか2週間ほどの期間で実際にお弁当を医療現場に届けることができた。

このプロジェクトは、『ジャンボステーキハンズ』、『旬な魚と鉄板焼き アゲマス』、『備長炭炉端 たけすみ』の3店舗が、平日5日間のうち、それぞれの担当日に沖縄赤十字病院から注文を受け1日30〜40食を提供。期間は6月24日までの30日間で、この費用を宮里が負担する。「それぞれの店舗の最初の日は私も参加したい」と、プロジェクト初日となった14日には宮里も病院へ。『美味しいお弁当を食べて、少しでも皆様の癒しになりますように』などのメッセージが書かれたカードを添え、 自らの手で手渡した。

「病院で働く方たちは、もともと忙しいイメージがありましたが、今回のコロナの影響でさらに休む暇もないと思いますし、感謝の気持ちしかない。今回のこと(新型コロナ禍)で“食”のことだったり、色々な面で私自身の認識も変わっていることを感じます」。今週も病院に出向き、“直接”その感謝を伝えるつもりだ。そして何よりも、『宮里プロからお弁当が届き感動しました。しっかり食べて頑張ります』などの声が、大きな喜びになる。

「みんなが喜ぶことができたらいいですよね。このコロナウイルスからも学ぶことはある。人とのつながりを、こういう形で生かすことができるというのも、その1つですね」。本来の開幕戦だった「ダイキンオーキッドレディス」出場のために、オフシーズンを過ごした米国から沖縄に戻り約3カ月。“友人を助けたい”という気持ちは、かつてボールなどにもプリントしていた自身のトレードマーク『みかん』の名がつけられた支援プロジェクトという形になり、新型コロナウイルスと戦う人々にひと時の笑顔をもたらす。

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