国内開催は進むのか 韓国女子ツアーの運営マニュアルを見てわかったこと

国内開催は進むのか 韓国女子ツアーの運営マニュアルを見てわかったこと

イ・ボミもスタート時はマスク姿 クラブハウス内はさらに厳重になっていた(撮影:GettyImages)

全世界の主要ツアーの先陣を切って先週開催された韓国女子ツアーのメジャー大会。新型コロナウイルスが猛威を振るい始めて以降の“開幕戦”として世界中から注目を浴びたが、果たしてその舞台裏はどうなっていたのか。


まず試合は無観客で開催。コースに入る際には入り口で検温や検査を行う。レストランではさながら教室のような形で、向き合っての食事は禁止。クラブハウス内に入場できるのは基本選手のみで、ストレッチができる場所は外に設けられた。プレー中のハイタッチなどは禁止で、キャディは常にマスク着用。徹底した感染予防策がとられた。

韓国では一度沈静化したかに見えた感染拡大だが、第2波を予感させる集団感染が明らかになり、開催に異議を唱える声もあったというが、開催に向けて準備した韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)は、安全に開催するための準備も徹底していた。

今回の開催に際し、KLPGAは韓国語で30ページ以上にも及ぶ無観客試合向けの運営マニュアルを作成。関係各所と共有した。その内容は、コロナ禍のなかで急造されたと思えない充実したもの。以下に、記載のある項目を一部紹介する。

・新型コロナウイルスの基本情報
・KLPGAツアーの基本方針
・<KLPGA新型コロナウイルス対応タスクフォース>の運営概要・構成
・選手および関係者の予防要領
・KLPGA大会関係者の予防要領(事務局・競技委員など)
・有症状/陽性者の発生時の対応
・外国人選手の入国管理について
・正規ツアーの運営方法
・下部ツアー、その他ツアーの運営方法
・メディア向け取材ガイドライン

これらの大項目の中身を見ると、細かな項目がぎっしりと詰まっており、各方面の担当者やコース内での導線といった項目が一目で分かる。KLPGAは今回の大会に際し協会の基金を崩して賞金を増額。予選落ち選手にも賞金を配分するなど、職場を失った選手のために何が何でも開催するという気概が見て取れた。

アン・ソンジュは3日目終了後、日本メディア向けのリモート会見で「ここまでやるんだと思いました」と現場での感染拡大防止策について明かした。逆にいうと、“ここまで”と思えるほどにやらなければ、開催に踏み切ることはできない。KLPGAのこのマニュアルを見れば、リスク回避には相当な覚悟が必要だということだ。

米国男子ツアーも6月11日の再開を目指し、大会運営に関するガイドラインをすでに発表。観客がどこにいるか一目で分かるようにチップで管理するなど、安全な開催案をいくつも検討している。さまざまなケースを想定して動けば、大会は開催できるとの判断。もちろん今後の感染拡大の進行度合いによっては日程変更の可能性も残すが、まずは動き出すことが重要ということだろう。

世界的な開催への動きが加速する中、国内の男女ツアーはいまだ開催の目処が立っていない。男子は6月いっぱい。女子は6月最終週の「アース・モンダミンカップ」が開催に向け動いているといわれているが、7月も2大会の中止が決定している。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)も大会開催に向けての運営方針について苦慮していると思われるが、早めに方針を発表することによって選手に安心感を与えるのも確か。協会が主催権を持たない国内ツアーにおいてはスポンサーの力が強いが、そろそろ“コロナとともに”という観点で運営方針が発表されることを期待したい。

<ゴルフ情報ALBA.Net>