渡邉彩香が“武器”を抜いた日のジレンマ 「私からドライバーをとったら何が残るんだろう」

渡邉彩香が“武器”を抜いた日のジレンマ 「私からドライバーをとったら何が残るんだろう」

武器のドライバーで戦い抜いた渡邉彩香(撮影:GettyImages/JLPGA提供)

<アース・モンダミンカップ 最終日◇29日◇カメリアヒルズCC(千葉県)◇6622ヤード・パー72>

鈴木愛とのプレーオフを制し、5年ぶりのツアー4勝目をつかんだ渡邉彩香。その勝因について、「4日間通して安定していた」というショット面を挙げた。


特に「ここ数年不安が大きかった」と低迷の原因になっていたドライバー不振についても、この試合では「まったく不安がなかった」と手ごたえ十分といった様子。「気持ちよく振れていたし、もし優勝できていなくても楽しかったと思えました」と、かつてのプレースタイルを取り戻せたことに自然と笑みもこぼれる。

ドライバーに苦しめられたこの2年間は、スイング改良など試行錯誤を続けた時期。昨年の「宮里藍 サントリーレディスオープン」では、「一番好き」と語るこの武器をバッグから初めて抜いてラウンドするほど深刻なものだった。

「入っていると好きなクラブだから使いたくなる。でも、そうするとマイナスのイメージがまたついてしまう」と、負の連鎖を断ち切るために決断した“荒療治”だった。この試合は3番ウッドを中心に飛距離ではなく正確性を重視したティショットで戦い、8試合ぶりとなる予選通過も果たした。だが同時に、「私からドライバーをとったら、何が残るんだろう」というジレンマを残すことにもなった。

しかし、このオフは中島規雅コーチととともに、徹底的にスイングの悪癖克服に取り組んだ。「振って気持ち悪さがあるものはダメ。それをしっかり話し合って伝えて、取り組むことができました」。これまで「直し方が分からない」という抜本的な問題に向き合い、今回の復活優勝につなげた。

「みんなの顔が浮かんできて泣いてしまいました」と、この苦しかった時期を思い出し、試合後は涙にくれた。「スポンサーさんも応援してくれていたのに、ホステス大会でも結果を残せない。プロとして失格」という苦しみも、早く過去のものにしたい。

「左に出して、しっかり右に曲げるフェードボールが打てるスイングを徹底してきました」。この4日間で渡邉が見せたティショットの軌道は、まさしくその通りの美しいものだった。

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