40歳を目前にアダム・スコットが見据えるもの【PGAツアー公式コラム】

40歳を目前にアダム・スコットが見据えるもの【PGAツアー公式コラム】

2020年2月「ジェネシス招待」最終日18番(Photo by Chris Trotman/Getty Images)

甘いルックスと笑顔。アダム・スコットは大学卒業当時から、外見はほとんど変わっていない。そのお手本のようなスイングは世界中の若手ゴルファーの憧れだ。


しかし、スコットはただ“スイングがキレイなハンサムガイ”というだけではない。7月11日に40歳を迎え、プライベートでは妻と2人の幼い子供がいる。オーストラリア出身の彼は、今やゴルフ界を牽引する存在だ。

その功績から、彼のゴルフ殿堂入りについての話は尽きない。そして現在見据えるのはメジャー制覇だ。

「常に目指すのは優勝、特にメジャーだ。シーズン後半で勝てたらいいね。早くベストな状態に持って行ければ、今年の優勝も見える」。

今シーズンの「ジェネシス招待」では後続に2打差をつけて優勝。一時は82位まで順位を落としていた世界ランクも、これでトップ10に返り咲いた。

PGAツアー通算14勝、キャリアでの通算勝利数では65位タイだ。現役で彼を上回るのはタイガー・ウッズ(82勝)、フィル・ミケルソン(44勝)、ダスティン・ジョンソン(20勝)、ローリー・マキロイ(18勝)、ジム・フューリック(17勝)だ。

しかし、そんな彼も長年のスランプを抱え、ストレスから誤った方向に自身を追い込んでいたという。今シーズンの優勝は、そんな状態から彼を引き上げた。

「大きな目標はメジャーでの複数回優勝。そのために優勝に慣れなくては」

スコットのメジャー優勝は、オーストラリア人として初めてグリーンジャケットに袖を通した13年の「マスターズ」のみ。優勝こそこの1度だが、メジャー74試合でトップ10入りが19回という記録を残している。

19年は「全米プロゴルフ選手権」8位タイ、「全米オープン」7位タイ、そして「オーストラリアPGA選手権」では大会2勝目を挙げ、新型コロナウイルス感染拡大によりツアーが中断するまで波に乗っていた。

「まだまだ結果が残せると思いたいが、過程も重要。ただ出場しても勝てるわけではない。1度だけなら運が味方することもあるだろうが、複数回優勝はそうはいかない」と語る。

「ここ数年で、公私ともに修正したことが多くあった。バランスをうまく保つ方法を見極めるのに時間もかかったが、今は正しい道にいる気がするよ」

PGAツアーで活躍するオーストラリア人選手のうち、最多優勝はグレッグ・ノーマン(20勝)。次いでジム・フェリアー(18勝)、そしてスコットはブルース・クランプトンと並ぶ3位タイ。メジャー優勝選手223人中、複数回優勝を収めているのは82人だ。

では、輝かしい功績はゴルフ殿堂入りに足るのだろうか。優勝数は、21年のゴルフ殿堂入り候補のファイナリストに残っているハル・サットン(米国)と並ぶ。ともにプレーヤーズ選手権を制し、メジャー1勝。だが、サットンはメジャー出場68回中、トップ10は8度のみ。優勝から9年間遠ざかった日もあった。

スコットになくサットンが持っているものを挙げるなら、チームキャプテンの経験だ。サットンは04年「ライダーカップ」で米国チームの主将を務めたが、スコットは「プレジデンツカップ」で世界選抜主将のオファーはまだ受けていない。選手としてチームの中核を担う存在だからだ。事実9度のメンバー入り、19年は母国で行われた大会で、アーニー・エルス率いるチームの影の副キャプテンとしてチームに貢献した。残念ながら米国に逆転優勝を許し、今は選手として勝利することに集中している。

「チームのために全力で戦っているが、結果が伴わない。トロフィー無しで帰るのは楽しくない」と語る。

21年の主将は南アフリカ出身でマスターズ覇者のトレバー・イメルマン。早ければ23年大会で、スコットが主将になるかもしれない。

ツアーはすでに再開しているが、スコットは夏の後半から参戦予定。「コースでは、いつも落ち着くよう心がけて歩いている。それは自信かもしれないし、冷静さとも言えるかもしれない」と、掲げる目標に向けて歩みを進める。(Stan Awtrey/PGA TOUR)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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