ツアー4戦目までの無観客開催は決まったが…【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

ツアー4戦目までの無観客開催は決まったが…【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

ISPS主催のチャリティマッチを制した吉川桃(撮影:ALBA)

新たに女子ツアー3試合の開催が決まった。6月の「アース・モンダミンカップ」に続く第2戦、「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」(8月14〜16日、長野・軽井沢72ゴルフ北コース)については無観客での開催が7月14日に発表されていたが、3戦目以降の正式発表は遅れていた。


しかし、きのう3日になって日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は、「ニトリレディス」(8月27〜30日、北海道・小樽CC)「ゴルフ5レディス」(9月4〜6日、岐阜・GOLF5CみずなみC)の無観客開催を立て続けに発表した。ニトリについては、今年に限ってだが賞金総額を予定の1億円から2億円に増額。試合という“職場”がなくて苦しむ女子プロたちにとってはうれしい知らせとなった。

無観客であっても、試合が続けて行われることはファンにとっても朗報だ。生で試合を見られる日を心待ちにしながら、テレビやネットで試合を見たり、応援したりする。ネットやスポーツ紙、雑誌などでプロの動向をさらに詳しく知る…。そんな日々が少しずつ戻ってくることを期待する、それがファン心理というものだろう。

一方、ツアー競技がなかなか行われない状況の中、それ以外の“試合”やイベントなども行われている。

通常なら、毎週、試合のあるシーズン中にはセッティングしにくいが、試合がない以上、安全な形さえ作れば選手にオファーも出しやすい。試合を中継する予定だったテレビ局が、その放送枠を埋めるためにプロを集めてトークショーをしたり、過去の映像を解説させたりする形式が皮切りだった。黄金世代数人や、渋野日向子と石川遼のテレビマッチなどの形もある。いずれもチャリティイベントだ。最も規模が大きいのは、8月3日、4日に伊豆大仁CC(静岡)で行われた「ISPS HANDA 医療従事者応援 チャリティレディーストーナメント」だろう。111人が出場し、506人のギャラリーが観戦した。

出場選手の中には原英莉花や大山志保などもいる大規模なイベント。賞金総額3000万円、優勝賞金600万円とツアーには及ばないが、決して少なくない賞金だ(それぞれの選手が獲得した賞金の一部は医療機関に寄付される)。これが、ツアーと関係ないところで行われた。コロナ禍の状況ならでは、と言っていいだろう。ツアー競技でなくとも、戦える場があること、稼ぐ場があることによって、救われた選手は少なくない。

プロゴルファーに限ったことではないが、感染拡大防止のために、何もかも自粛してしまっては、それぞれの生活は成り立たない。大会スポンサーそれぞれの事情の下に試合が次々に中止となっている状況で、選手たちは試合という“職場”を奪われている。

それだけではない。選手たちには、それぞれ個人スポンサーの広告塔という仕事もある。広告塔である以上、露出が多ければ多いほど、スポンサーにはメリットがある。プレーしている写真を観客に生で見てもらうこと。試合で上位に入ってテレビやネットの中継にたくさん映ること。新聞や雑誌、ウェブサイトで用具やウェア、ロゴなどの写真が掲載されること。いずれの機会も今年は激減している。試合が行われても取材はごく限定的だから、お目にかかるのは同じような写真ばかりだ。 
それではやがて飽きられる。飽きられたり、露出の機会が少ないままで、個人スポンサーのメリットが減れば、そちらの“仕事”も減っていく。さらにプロたちは厳しい状況に追いやられる。

とりあえず、2020年2戦目、3戦目、4戦目の開催は決まった。だが、その先はどうなるか、まだわからない。新型コロナウイルスの感染拡大が収まったとは到底言えず、政府の対応もはっきりしない。

だが、それでも一定の指針を出すことは、そろそろ必要なのではないか。状況が変われば決めたことが変更になるのは仕方ないとしても、残りのシーズンについて、ツアーとしての発信が待たれている。5戦目になるはずの「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」(9月10〜13日、岡山・JFE瀬戸内海GC)についても、様々な憶測ばかりが先行している。開催まで1カ月余りとなった今、プロへ、そしてファンへの前向きなアピールが待たれる。(文・小川淳子)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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