家族、キャディ、スポンサー… 周囲の支えと新たなコーチとの出会い【渡邉彩香復活への道のり】

家族、キャディ、スポンサー… 周囲の支えと新たなコーチとの出会い【渡邉彩香復活への道のり】

周囲の支えについて話した渡邉彩香(撮影:米山聡明)

6月に行われた今シーズン初戦の「アース・モンダミンカップ」で5年ぶりに優勝し、8月14日(金)に開幕する「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で2試合連続優勝を目指す渡邉彩香。長きにわたりスランプに苦しんだ長距離砲はいかにして苦難を乗り越えたのか。今回は調子を崩していたときの周りの支えを明かす。


2016年「全米女子オープン」の72ホール目でリオ五輪代表の出場権を逃してから、更なる高みを目指そうとして調子を崩していった渡邉。ゴルフが嫌になることはなかったが、「出口が見えない。これ以上、何をすればいいんだろう。そういう気持ちはありました」という深みにはまってしまっていた。それでも家族をはじめ、マネジメント事務所のスタッフ、キャディ、スポンサー、そしてのちにタッグを組むコーチやメンタルコーチなど、周囲の人々は渡邉を暖かく見守った。

「調子が悪くても、みんな普通に接してくれていました。言いたいことがあれば遠慮なく言ってくる。私自身がまた勝てるということをイメージできないときでも、みんなは私がまた勝つ、また強い選手になると思ってくれていることが伝わってきました。だから私ももっとやれるとモチベーションにつながりました」

ジュニア時代から見守っている父・光晃さんは調子を落とし始めたころ、娘にある言葉をかけた。「プロテストに一発合格して、QTもシードもうまくいった。複数回優勝もしている。今までうまく行き過ぎたくらいだから、勉強だと思って向き合ったらいいじゃん」。この言葉でかなり前向きになれたという。

それでも不調が続き、父にも八つ当たりしてしまった。「相談はしないのですが、『こんなに練習しているのに、これ以上どうすればいいの!?』と当たったりしてしまいました。父が一番大変だったと思います。悲しそうな顔をするので、言い過ぎたかなって思いましたけど」と今でも思い出すと申し訳ない気持ちになる。

転機が訪れたのは今から1年ほど前。18年から専属キャディを務めてくれている川口淳キャディがコーチを紹介してくれたのだ。ツアー会場に行けば他の選手のコーチがいてワンポイントアドバイスをもらえることも多い。逆にプロ側から「少し見てください」と声をかけることもままある。だが渡邉は違った。「聞いてみたい気持ちもありましたが、他の選手のコーチをしている人にそう言うのはコーチにも選手にも失礼かなと思いました」と愚直に一人で戦い続けていた最中であった。

「そろそろ外から見てもらわないと、自分がどうなっているか分からない。いろいろな人に話を聞いてみよう」と思い始めたころに、川口キャディが旧知の仲だという中島規雅コーチを紹介してくれた。これが運命の出会いとなった。

そんな中島に対して渡邉は「練習ではいい球が出るようになってきたが、試合では左が嫌でできない」と率直に悩みをぶつけた。最初に中島が提案したアドバイスはしっくりくるとは言えなかったが、様々な角度で説明してくれたことで徐々にハマってきた。「曲げなくないからとインパクトが点になっている。インパクトゾーンをもっと長くしたほうがいい」という状態を改善するため、手首のリリースを少し早くするなど様々な取り組みによってショットは輝きを取り戻していく。こうした周囲の支えと新たなコーチとの出会いが渡邉の復活には欠かせなかった。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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