合格者も不合格者も大活躍 それならプロテストの門戸を広げてみては?【記者の目】

合格者も不合格者も大活躍 それならプロテストの門戸を広げてみては?【記者の目】

昨年不合格の後藤未有も優勝争いに絡んだ(撮影:米山聡明)

今季の国内女子ツアー2戦目「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」は笹生優花の優勝で幕を閉じた。各メディアが会場に入れるようになった試合で大きく報じられた19歳のド派手な勝利は、驚愕と新時代の到来を持って迎えられた。


その笹生は昨年のプロテストに合格したルーキー。5位に入った西郷真央、14位のセキ・ユウティン(中国)も合格組だ。そして、昨年のステップ・アップ・ツアー優勝の資格で単年登録となっている10位タイに入った高木優奈、最終日に崩れたものの優勝争いに加わり14位タイに入った後藤未有は昨年のプロテスト不合格ながら合格ラインから2打差以内の資格で単年登録をしたツアー1年生だ。

前回の「アース・モンダミンカップ」でも3位タイにルーキーの田中瑞希、5位タイに笹生と西郷、セキも13位と2019プロテスト合格組が大いに活躍した。この結果からも分かる通り、まだ2試合で間隔が空いての試合、さらにグリーンが水分を多く含みボールが止まりやすかった、などの状況を考えても、昨年のプロテストはレベルが高かったと言えるだろう。他にも安田祐香、吉田優利、西村優菜といったアマチュア時代に十分な実績を積んだプラチナ世代らも加え、新世代の台頭は明らかだ。

プロテストの合格人数は例年20人前後(最終プロテストの20位タイまで)。つまり後藤や高木といったレギュラーツアーで活躍できるレベルの選手たちは、そこからあぶれたということだ。

そのなかで2人のように単年登録できなかった選手たちは、昨年度から日本ツアーの出場権をかけたQTに出場することができなくなったため、次のテストまでアマチュアとして過ごすか、プロに転向して他国のツアーに出場するかを選び備えることとなった。だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今年開催される予定だったプロテストは来年3月以降に延期。時期やコースだけでなくどのようなかたちとなるかはアナウンスされていない。場合によっては来年のプロテストと一緒になるかもしれない。今季から受けられるようになった選手は大学に進学するか。進学せずにプロを目指すかの決断に問われている。

そこで思うのは、来年だけでも合格枠を拡大するのはどうだろうか。レベルの高い選手、いやそもそもQTに出場できる人数が増えるということはツアーのレベルアップにつながるはずだ。また、会員が増えることによって集まる会費が増えれば、放映権料でやりたいと話していた選手や会員への投資、トーナメント価値向上のための原資としても大いに活用できるだろう。

一方で、正会員が増えることのデメリットは何だろう。正直あまり思いつかない。会員をむやみに増やすことで正会員の希少価値が下がることくらいか。日本女子プロゴルフ協会の広報は、20位タイという数字が正しいかは置いておいて、「ある程度の技術の線引きが必要」という回答をした。けれども、ツアーに出場するためには、主催者推薦の規定試合を除けばプロテスト合格だけでなくQTでの成績も必要だ。そこで“ある程度の技術の線引き”はできるのではないか。現に世界の女子ツアーで一番レベルが高いとされているUSLPGAツアーにプロテストなるものは存在しない。

プロになることはゴールではない。ツアーで活躍する、お金を稼ぐためのスタートラインだ。また、ツアーのレベルは高ければ高いほどいい。そのための門戸を狭める必要は全くないと思うのだが、いかがだろうか。(文・秋田義和)

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