10年から大会3連覇の藤田寛之が燃える理由 「すっげーな!みたいな人がいてもいいじゃない」

10年から大会3連覇の藤田寛之が燃える理由 「すっげーな!みたいな人がいてもいいじゃない」

藤田寛之は10〜12年にかけて大会3連覇を果たしている(撮影:佐々木啓)

<ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日◇3日◇東京よみうりカントリークラブ(東京都)◇7023ヤード・パー70>

本大会は2010年から3連覇。“日本シリーズ男”と呼ばれた藤田寛之が、大会4勝目を虎視眈々と狙っている。大会初日は5バーディ・3ボギーの2アンダーで10位タイにつけ、首位と4打差で2日目に入る。


朝早いスタートで、1番、2番を連続バーディ。早々にリーダーボードのトップに躍り出ると、4番をボギーとしながら5番から再び連続バーディ。前半を3アンダーで折り返した。さすがの相性の良さで後半にも期待がかかったが、「自分でもビックリの滑り出し。でも前半よすぎて、後半悪すぎた」と、前後半で別人のようなラウンドとなった。

「3番まですごくいいプレーでした。3連覇のころのような、楽な自分がいました。バーディを獲れるホールというのが自分の中で決まっていて、そこでバーディを獲れると上に行ける」。東京よみうりでは、スコアをつくる術は身についている。今日もそんな日になりそうな予感はあったが、「途中からは打ったことがないところに行って」とドライバーの不調に陥り、「せっかくの貯金が減っていって、なくなるかと思った」と焦りを感じていた。

10番でボギー、11番でもティショットを大きく右に曲げてしまい、4メートルを沈めてなんとかパーセーブ。13番でもボギーと悪い流れに落ちかけたが、17番でバーディを奪い、難関18番をパーで締めて、なんとか息を吹き返した。

パワースポットに戻ってきたという充実感に満ちた藤田にとって、今年はあらたな経験の多い年だった。51歳となったいま、8月には試合の場を求めシニアツアーに初参戦。同ツアーは3試合に出場したが、あらためてレギュラーツアーで戦う気持ちを強くした。「シニアは居心地はめちゃくちゃいいけど」と笑いながら話すが、まだまだやり残したことがレギュラーツアーにはある。

最後の優勝は14年9月。実に6年以上の年月が経った。そのあいだ、45歳を過ぎてからは、こちらも冗談めかして「終活じゃないけど、終わりも見えてくる」と、年々衰えを感じてきた。40歳を超えてから黄金期を迎え、そしてその黄金期が過ぎ去ってからもなお、中年の星として奮闘し、ファンにも愛され続けてきた。その藤田がいま、もっとも強さを見せた地で再び頂点を目指している。

「ここに来ると、なんとみいえない雰囲気だから。ここでやれることの充実感、達成感、プロゴルファーの勲章です」。光輝く真剣な目で思いを語る。「この大会はギャラリーが雰囲気をつくっているんですよ。見られてプレッシャー、やる気を感じる、その中でプレーをつくっていく」。そんな状況は無観客開催のため味わうことができていないが、それでも伝えたいことはまだまだある。

「すっげーな!みたいな、そういう人が1人くらいいてもいいじゃないですか、男の世界には。まあ、結果で示さないとね(笑)」。51歳となったいまでも、夢を売るプロゴルファーとしてあり続ける自分でいたいと願っている。「ずっと挑戦したい」という心構えは、いまなお衰えていないどころか、より一層高まりを見せている。

3週前には、14年6月からタッグを組んでいるキャディのピーター・ブルース氏から、故郷のオーストラリアに戻ることを明かされた。「ただ残念。なかなか相性のいいキャディさんっていないから」。そこからはもう1試合やりたいという気持ちで、なんとか賞金ランキング上位の資格で今大会出場を果たした。「なんとか上位に入りたいと思いながらやっていて」と、今週はふたり最後の戦いでまずは好スタートを切った。

プロキャディとしてのキャリアを終了し、オーストラリアで新たな人生をスタートさせる友人とともに頂点へ。50代でのレギュラーツアー優勝を目指し、まだまだ戦い続ける藤田にとって、モチベーションはいま最高潮に達している。

<ゴルフ情報ALBA.Net>