力を注ぐべきはツアーの将来がかかるオフシーズンの発信【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

力を注ぐべきはツアーの将来がかかるオフシーズンの発信【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

2020年の盛り上がりをどう来年につなげるか?協会の“発信力”が求められる(撮影:佐々木啓)

次のシーズン開幕を待ち望んでくれるファンの数をできるだけ増やす。そのためには、オフシーズンもファンの興味をかきたて続ける必要がある。今も昔も、プロスポーツにとってそれが大切な事は変わらない。


シーズンがズレる海外のニュースも交えつつ、チームスポーツなら移籍や契約更改の話題。婚約や結婚などオフならではのプライベートな話。前のシーズンを振り返ることもあるだろう。トレーニングや練習などの準備については言うまでもない。

昔と違うのは既存メディアに頼らなくても、自分たちでそれを発信できること。オフィシャルサイトやオフィシャルSNSでの発信の頻度が高く、内容が濃ければ、ファンの興味を引き付け続けることができる。個人競技のゴルフの場合、それぞれの個人SNSなどには固定ファンがいる。応援している選手とつながることは、ファン心理を大きく揺さぶる。

ウィルス感染拡大で試合数が少なくなったことから、シーズンは2020年と21年が一緒になることが決まった。つまり、今年は賞金女王も決まらなければ各タイトル争いもない1年になった。当然、毎年の華やかなアワードもない。だからといって発信する内容がないわけではない。

逆に、試合がすべて無観客だった後のオフシーズンだからこそ、より多くの発信をする必要があるのではないか。だが相変わらず日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)からの発信は大したものが出て来ない。増枠予選会(QT)や新人戦などのイベントのニュースはあるが、それだけでは物足りないことこの上ない。

シーズンは終わらなくとも、まずは一区切り。賞金ランキングを始めとするスタッツのトップの選手のコメントや今後の抱負。12月末に理事選挙を控えているとはいえ、来年に向けての組織の抱負くらいは載せてもいいはずだ。日程発表についても、いつするか、くらいのことは言えばいい。コロナ禍の年だからこそ、前向きな話をできるだけ多く。その上で隠し事は少なく。信頼はそこから生まれる。

来年は観客として試合を見られるのかどうか。コアなファンが一番気にしているその部分について、一言あってもいいだろう。感染拡大状況次第なのは、日本中誰だってわかっている。それでも「できるだけ前向きに観客に見てもらう方向で」くらいの話はしてもおかしくない。それでもできないのなら仕方ないが、「主催者丸投げ」ではそれもできないのか。

試合の少ない中でも、笹生優花や古江彩佳などのルーキーの活躍や原英莉花の飛躍など、盛り上がりを見せた今年の女子ツアー。その盛り上がりを消さないまま、3月につなげるために何をしたらいいのか。

新聞、雑誌、テレビ、そして選手個人やファンのSNSに頼るだけではなく、まずはツアーから積極的な発信が必要だ。それが呼び水となり、流れができれば後は勝手に盛り上がってくれるのが現代だ。

いつになったら落ち着くかわからない感染症の真っただ中にいるからこそ、いつも以上に求められるのが発信力。オフの盛り上がりがファンをつなぎ留め、増やし、スポンサー獲得にもつながる。ツアーにとっても選手個人にとっても大切なこの時期を、無駄にしてはならない。(文・小川淳子)

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