親子二人三脚で手にした初優勝 母が明かす“娘・古江彩佳”への思い「私よりも強い」

親子二人三脚で手にした初優勝 母が明かす“娘・古江彩佳”への思い「私よりも強い」

この笑顔の裏には支えてくれる母の存在がある(撮影:福田文平)

<トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン 最終日◇31日◇ダンドナルドリンクス(スコットランド)◇6494ヤード・パー72>

娘を信じる心。それが、スコットランドで大きな実を結んだ。


最終日に「62」という驚異的なスコアを出し、逆転で海外初優勝を挙げた古江彩佳。その傍らには、いつも母・ひとみさんの姿がある。「うれしいですね」。日本勢として11人目の海外優勝者が生まれたけん騒のなか、母は静かによろこびの言葉を口にした。

娘の米ツアー参戦に帯同し、生活をともにする。慣れない海外生活。しかし、「今のところ、楽しんでいますね。苦労と思っていないです」と、苦に感じることはない。ほとんどの試合で、キッチン付きのホテルなどを借り、母の味でもプレーを支えている。「(昨晩は)豚キムチと、サーモンのムニエルとおつけもの。あり合わせ。とりあえず買い物して残っているよね、と。移動しないといけないので」。古江のゲン担ぎといえば、試合前のトンカツがよく知られるところ。「豚肉も(現地でも)売っているし、小麦粉は軽いじゃないですか」。一時帰国していた日本で調達したものも、この快挙の一つの要因になった。

普段からゴルフの話もするが、年頃の女子らしい気分転換方法も明かしてくれた。「オンとオフを考えて。今週は毎日アイスクリーム(を食べた)。家の帰り道においしいところがあったので。チョコとかワッフルとか。よかったらルーティンになりますよね」。トンカツもそうだが、この“ルーティン”という言葉を大事にしている。

そして「プレーしている限りは一番の願い」という親子で目指してきた海外での優勝が実現した。それに最初に近づいたのが5月のマッチプレー大会「バンク・オブ・ホープLPGA」だ。4人1組の予選をまずは勝ち抜くと、その後のトーナメントマッチで決勝に進出。最後はジ・ウンヒ(韓国)に敗れたものの、“優勝”を意識できる試合になった。「予選で落ちそうなところから決勝までいったので、心臓が強いんだなと」。そんなシーンを振り返る時も、母はつとめて客観的だ。

とにかく「楽しい」という言葉が繰り返される。それは古江のモットーでもある“ゴルフを楽しむ”ということにもつながってくる。この日の最終18番。結果的にウイニングパットになったシーンも、ひとみさんは“あえて”そのプレーを見なかったという。理由は「信じているので」。そこに「ルーティンなの。外れたらいけないので。信じていますので」と、付け加える。

同じスコットランドで、続いてメジャー大会が行われる。「もちろんこれはこれで(切り替える)。たぶんそう思っていると思う。いい流れでいけたらいいですよね」。そう娘の気持ちを代弁する。さらにこのグラスゴーは、キャディを務めるマイク・スコット氏の地元。「すごい頑張ってくれましたね。マイケルの地元で。本当にこのタイミングは感謝しています」。そうやって他の人への感謝の思いが真っ先にでてくるのは、どの母親も同じだ。

親子のスタンスは今後も変わらない。「楽しんでもらって。(米国)LPGAに来たのは自分を向上させるため。どんどん楽しんでいきたいです」。二人三脚、そしてその親子の信頼関係もゆるぎないものだ。そして、もちろん労いの言葉も忘れない。涙なき優勝だったのも古江らしいシーン。ニコニコとした表情は、快挙を成し遂げようが崩れることはない。『それはお母さん譲り?』の質問に、母はこう答える。「どうなんでしょう。私以上に強いと思います。勝負の世界なので」。これからも世界で一番、娘を信じる存在であり続ける。

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