「悔しすぎる」けど「よく頑張った」 渋野日向子は1差に泣くもイギリスから“再出発”

「悔しすぎる」けど「よく頑張った」 渋野日向子は1差に泣くもイギリスから“再出発”

清々しい笑顔で18番グリーンをおりた渋野日向子 ここが再出発の場所となる(撮影:福田文平)

<AIG女子オープン 最終日◇7日◇ミュアフィールド(スコットランド)◇6680ヤード・パー71>

大会2勝目を目指した最終日。首位と5打差から出た渋野日向子は、スコアを伸ばせずトータル9アンダーでのホールアウトとなった。プレーオフ進出に1打足りず、涙を呑んだ。


表情こそ笑顔だが、悔しい敗戦。「率直に、めちゃくちゃ悔しい」と唇をかむ。「イーグル、ダボ、いろいろやった1日(笑)」と波瀾万丈の最終日最終組だった。

2番でバーディが先行し追い上げ開始と思われた矢先。3番、4番とロングパットを寄せきれずに3パットボギーが来た。ここで沈みかけた気持ちを、今度は5番のイーグルで盛り上げる。そしてその後はアシュレー・ブハイ(南アフリカ)、チョン・インジ(韓国)と一進一退の攻防へ。必死で追いすがった。

首位のブハイと3打差まで迫って迎えた14番。ここは最難関ホールで、3日目には完ぺきなバーディを奪っていた。だが、大事な優勝争いの場面で大きなミスが出る。「ちょっと力みましたね」とティショットは左サイドのポットバンカーへ。ここからは出すだけで、3打目はグリーンを捉えるも距離が残る。そして1メートルに寄せたあとのボギーパットも外れると、振り出しの5打差まで戻ってしまった。

ところが何があるか分からないのがリンクスゴルフだ。続く15番ではブハイがティショットをバンカーに入れ、これがまともに出せない状況。左になんとか脱出するが、今度は深いフェスキューへ。そこからの3打目はクラブが草に絡まり30ヤード進んだだけ。さらにはアプローチもミスするなどまさかのトリプルボギーを叩く。ここで一気に渋野との差が2打に縮まった。

「14番で5打差になったときは、まだ15番も難しいし、16番もまあまあ難しい。あと4ホール難しかったので、諦めてはいなかったです」と再び上を向いた。16番をパーで切り抜けると、17番パー5も見せ場に。渋野はティショットを飛ばし、セカンドで7番ウッドを握ると2オンに成功。惜しくもイーグルパットは外したがバーディを奪い、1打差に迫った。

1組前のインジが先にトータル10アンダーでホールアウト。プレーオフに進むためには、渋野は18番でのバーディが必須。その中で、フェアウェイに行ったと思ったティショットは右ラフへと転がった。しかも強いラフ。「バーディを獲らんといけん状況で、あの剛ラフだった」。バーディ狙いからパー狙いに切り替えた。そしてこの2打目はグリーンオーバーするも、逆目のライから1ピンに寄せパーセーブし単独3位を死守した。

「最後のパーパットを入れられた。結構シビアだったけど、あの終わり方をしたのはよかったと思います」。優勝を逃し、悔しさも残ったが、やり切った感があふれる表情が夕日に照らされるフィナーレだった。

4月の「ロッテ選手権」で優勝争いのすえに2位に入ってからは不振に陥った。7月以降の欧州遠征でも調子が上がらなかったが、その2週目の「トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン」で久しぶりのアンダーパーもマーク。悪かったパッティングのアドレスも修正し、とにかく振り切るショットを心がけた。「まだ自信はない」と話すが、ゲンのいい全英の戦いで光が見えた。

「要所要所でよかったところもあると思う。悔し過ぎるけど、本当に最近の自分のゴルフの内容を考えると、よく頑張ったなと言いたい」。このあとはインドネシアのツアー外競技に出場し、再び北米に戻りシーズン終盤へと向かう。衝撃の全英制覇という形でイギリスから始まった渋野の伝説。今度はイギリスが再スタートの地となる。(文・高桑均)

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