高校で単身渡米、プロテストで「61」 新潟出身の新人・泉田琴菜は大のおにぎり好き【ステップ・アップ・ツアー見どころ】

高校で単身渡米、プロテストで「61」 新潟出身の新人・泉田琴菜は大のおにぎり好き【ステップ・アップ・ツアー見どころ】

お米パワーで突き進む! ルーキー・泉田琴菜の躍進に期待(撮影:佐々木啓)

2022年のステップ・アップ・ツアー13戦目となる「かねひで美やらびオープン」が沖縄県のかねひで喜瀬カントリークラブで6日(木)に開幕する。シーズンも終盤を迎え、賞金ランキングも気になるところ。そこで同ツアーを放送するCSチャンネルのスカイAで16年からラウンド解説を行うプロゴルファーの下村樹美に今週の見どころを聞いた! 今回は逆輸入の新人プロについて。


■14歳でゴルフを始めて高校で単身渡米

小学校低学年、もしくはそれ以下の年齢でゴルフを始める選手が多いなか、泉田琴菜がゴルフを本格的に始めたのは14歳。少学校時代から励んだ野球で鍛えた体を武器に急速に上達を遂げると、2年目には関東ジュニアへ出場するまでになった。高校は世界中からトップアスリートを目指す若者が集まる、米国のIMGアカデミーに単身渡米。国内男子ツアーで今季初優勝を遂げた大西魁斗のひとつ下の世代で、「英語が話せないなかで、いろいろと教わったようです」と下村が言うように、ゴルフでも生活面でも先輩・大西の力を借りたという。

同校を卒業後帰国。昨年11月、3度目の受験でプロテストに合格した。2次では「61」というスコアを叩き出して話題にもなった。「プロテストの場で『61』というスコアが出るなんて驚きです。周りのプロも驚いていましたね」と下村が話す通り、一気に注目度がアップしたのが昨年秋だった。

「今年はルーキーイヤーで、最初はステップにも出場しましたが、数少ないレギュラーツアー出場の機会を生かしてリランキングで46位に上がり、夏場はレギュラーツアーをメインにしました」(下村)。6月の「アース・モンダミンカップ」で11位タイに入ると、その後も奮闘を続けた。

予選会を勝ち上がって出場した先週の「日本女子オープン」では初日の88位タイから巻き返して11位タイ。2日目には全選手中唯一の60台もマークした。「難しいセッティングで皆さんが苦労している中での11位はすばらしいですね。ここからはステップがメインになると思いますが、この勢いでいければ優勝も近いのではないでしょうか」と下村も熱い視線を注ぐ。

■母のすすめで始めたゴルフ 持ち味はパワー

「身長は160センチといまの選手にしては大柄ではありませんが、プレーしているときは大きく見えるんです」と下村の説明通り、野球で鍛えた強じんな体から繰り出されるショットは迫力満点。「下半身も強いのですが、上半身の使い方も上手いし強いんです。パワーフェードが打てるので、曲がらずに飛距離も出せるんです。野球やソフトボールをやっていた選手は上半身の使い方が上手いのが特徴。岡本綾子さん、古閑美保さん、渋野日向子さんらもそうです」とスイング時の上半身の動きが飛距離を生んでいると下村は分析する。

また、「同年代の選手より始めた年齢が遅いぶん、伸びしろがまだまだあると思います。吸収できることもあるし、まだその容量が残っているんです。ゴルフは経験値が大事なスポーツですが、まだ技術力が満タンではないところが楽しみですね」と、それでも女子メジャーで活躍するポテンシャルには舌を巻く。

そんな泉田のパワーの源はもう一つ。「おにぎりが好きなんです(笑)。新潟県出身で、『いちばん何を食べたいか?』と聞かれると、おにぎりというそうです。お母さんのつくったおにぎりが大好きで、インスタのアカウント名もおにぎりの文字が入っています」と、お米パワーでメキメキ腕を上げている。

その母のすすめで始めたゴルフは「野球よりゴルフのほうが女子でも世界的に活躍できる」と選んだ道。母のつくったおにぎりで今後ますますの活躍ができそうだ。

ちなみに課題といえば、「まだ自信が足りていないと話しています」というネガティブな思考。「自己分析は慎重な性格とのことで、アグレッシブなプレーをしていきたいと話しています」とポテンシャルを見せつける豪快なゴルフを目指している。

■ステップの賞金ランキングでジャンプアップを狙う

ここまでステップには5試合しか出場していないため、獲得賞金は100万円ほどで賞金ランキングは70位。全日程を終えて同10位に入れば、来季の出場権をかけたQTはファイナルステージから出られるため、そこがひとつの目標となる。「今季は今大会を含めて残り5試合です。難しいですが、逆転の可能性はあると思います」と、レギュラーで培ってきた経験を武器にジャンプアップを目指す。

現在の同10位との賞金差はおよそ420万円。このあと5試合の優勝賞金がいずれも360万円であることを考えれば、最低でも2勝は必要という計算になるが、同10位内に入れなくても、ステップでの優勝をもって別の出場資格でファイナルQTから参戦が可能だ。いずれにせよ、来季前半戦をレギュラーで戦うためには、まずはステップ優勝→ファイナルQT→レギュラー出場権獲得という道を通る必要がある。

同ランキングトップ2の選手は自動的にレギュラー前半戦の出場権を得るが、1位の櫻井心那が1700万円あまり、そして2位の宮澤美咲が約1340万円。ここを狙うのは現実的に考えると難しい。それでも3位以下は団子状態なので、ここに割って入ることができるか。大器の予感を匂わす泉田の動向に注目だ!

解説・下村樹美(しもむら・じゅみ)
1988年5月13日生まれ、愛知県出身。2011年にプロテストに合格。ケガなどもあり一線からは身を引いたが、16年からはスカイAでラウンド解説をしている。プロ目線での解説が好評。今年もステップ・アップ・ツアーから選手のプレーの模様や声を届ける。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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